脱サラ呪術師第2号② 【呪術廻戦】【男主】 (ページ2)

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「……ん……あれ、もう朝……。」

太陽の眩しさと小鳥の囀りで目が覚めたA。
ベッドから上半身だけ起き上がらせ、ふあぁ、と欠伸をしながら両腕を上げて伸びをする。

昨日頭を冷やすと言って夏油と別れた後部屋に戻って来たA。
気絶をしたかのように今の今まで眠っていたらしい。
情けないな、なんて思い、短い溜息を零す。

『喉乾いたなぁ……。自販機行こ。』

ベッドから離れ、クローゼットの中から適当にパーカーとジーンズを取り出し、サッと着替えて部屋を出た。

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自販機に行くと、既に先客が居た。

『七海先輩！おはようございます。』

「五十嵐君。おはようございます。」

脱サラ先輩の七海だ。
ブラック缶コーヒーを買った七海とAは自販機横のベンチに腰掛ける。
缶コーヒーのプルタブを開けると、鼻に良い香りが広がる。

「五十嵐君、大丈夫ですか？」

コーヒーを1口飲んだ七海が、Aに目を向けてそう言った。

『……あぁ。ははっ。過去のトラウマを思い出しちゃって。情けないですよねぇ……。でももう大丈夫です。それも覚悟して戻って来たので、乗り越えます。もう誰も死なせません。』

Aはそう伝え、缶コーヒーを一気に口に流し込む。

「……昨日の忌庫番の件。侵入した呪詛師の仕業だったらしく、残穢を追った夏油さんがとっ捕まえて今監禁しているみたいですよ。」

Aは流石だ、と思うと同時に、何も出来なかった自分に嫌気がさす。

「あーーーーー！！Aさんとななみんだ！」

「脱サラ組ね。」

「おい失礼だろ。」

「おはようございます……！」

『おー1年ｽﾞ。おはよ。』

七海とベンチに座っていると、1年生の虎杖･釘崎･伏黒･吉野が近寄ってきた。

『これから任務？』

「応！何か高校に特級呪霊が出たらしくてさ、閉じ込められてる一般人の安否確認と呪霊討伐。緊急事態だから俺らが派遣されんだってさ。」

『え、お前らだけ？引率は？』

「居ないわよ。」

『……五条先輩はこれ知ってんの？』

「五条先生は昨日から出張で居ません。」

『……きな臭い。』

「ですね。」

Aと七海は顔を見合わせ、そう言った。

『そんな危険な任務に1年派遣は有り得ないよ。』

恐らく上層部の仕業。
宿儺の器･虎杖悠仁を殺す事が目的だろうが、それは言わなかった。

『俺が着いてくから。ほら行くぞ。』

Aはベンチから立ち上がり、1年4人の背中を押して車へ向かった。