24輪目 ページ6
乙骨は振り払われた自身の手を見て、酷く驚いている。
「Aちゃん……？」
乙骨からは、香水の匂いがする。
彼は香水は付けないから、恐らくあの女性の匂いが着いたのだろう。
Aは俯いたまま、ゆっくりと口を開く。
『せんぱい……今日任務じゃなかったんですか……。』
「任務だったけど……。それがどうかしたの……？」
明らかに様子の可笑しいAに近付こうとするがまた1歩後ろへ下がってしまい、距離が縮まらない。
『女の人と歩いてたじゃないですかっ……！腕組んでっ……！』
「…………！！あれは、」
その先の言葉を聞きたくないと思ったAは、乙骨の言葉を遮るようにして話し続ける。
『私なんかとは違って背低く無くて美人でっ……！お似合「待って。」』
「それ以上言ったら怒るよ。」
明らかに怒っている声色の乙骨に、思わず肩が跳ねた。
だがどうしたものか、思ってもいない事ばかり口走ってしまう。
『私みたいなのよりあの女の人の方がお似合いです……！！…………せんぱい何か大っ嫌いっ…………！！』
Aはそう言い残し、何処かへ走って行ってしまった。
取り残された乙骨は、呆然としている。
「……大っ嫌い……かぁ……。」
片手で頭を抱え、ため息を着く。
今日の任務内容は、あの女の人の護衛だった。
まさかあの場にAが居るとは思わず、何の説明も無しに任務へ向かった自分に非はある。
怒らせて当然だ。
だが今まで散々自分の近くで伏黒と仲良くしていたAにそこまで言われたくない。
その事で悩まされていた自分が馬鹿らしくなり、乙骨はイラつく気持ちを抑えながら自室へ戻った。
･
『……どうしよう……っ……。』
乙骨から逃げて来てしまったAは、共有スペースのソファに腰を下ろした。
大嫌いなんて思ってもいない言葉を口走ってしまい、ボロボロと涙が零れ落ちてくる。
乙骨の言葉を聞こうともせずに感情に身を任せてしまい、もう完全に嫌われただろう。
自分が最低すぎて嫌になる。
誰かが来たらまずいと思い服の袖で必死に涙を拭っているが、一向に止まる気配がない。
そうこうしている内に、こちらへ向かって歩いてきている声が聞こえた。
「でさー、今日の昼に蜂蜜デロンデロンにかかった超〜甘いカレー食べたんだけどー。」
「何よそれ……。キモ……。何かの病気になりそうね……。」
五条と、釘崎だ。
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ぱーぷる姫(プロフ) - リクエスト全て叶えてくださって、本当にありがとうございます！！感無量です。 (2022年11月11日 5時) (
レス) id: be661beda4 (このIDを非表示/違反報告)
ぱーぷる姫(プロフ) - こっちにもあっちにも失礼します！もうルンルンで読んでます！何度読んでも色褪せない美しさのあるお話しで大好きです！！ (2022年11月11日 4時) (レス) id: be661beda4 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - ゆきな☆さん» うわあああありがとうございます(´；ω；｀)頑張ります！！！ (2021年9月14日 19時) (レス) id: fa378eaf30 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな☆(プロフ) - 続き待ってますっ！！お体に気をつけてくださいね！！ (2021年9月14日 19時) (レス) id: ccfc63a9dd (このIDを非表示/違反報告)
ぱーぷる姫(プロフ) - お姫様？！なんと素敵なあだ名を！ありがとうございます！更新が楽しみです！ (2021年8月20日 1時) (レス) id: be661beda4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はる | 作成日時：2021年8月12日 5時
