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22輪目 ページ4

トボトボと自室に戻ってきた乙骨は、部屋に入るなりベッドに腰掛け、両手で頭を抱える。



見ての通り、物凄く動揺している。
まず、何故自分を頼るのでは無く伏黒だったのか。
そして見てしまった、あの距離の近さ。
彼女が転ぶのを回避してくれた事には感謝しか無いが、それでも近すぎる。
身体がくっついていた。



Aは、3年生とは特に仲が良い。
中でも伏黒とは趣味が同じと言う事で2人で話している所はよく目にする。
自分の趣味・特技がねりけしなのに対して、2人は読書だ。
楽しそうに話している2人を見て、何度嫉妬した事か。



「…………あれ…………?」



思い返してみれば、彼女から好きだと言って貰えたのは告白した時だけだ。
恥ずかしがり屋だから仕方が無いと思っていたが、手を繋ぐのも、ハグも、キスも、全部乙骨から。



もしかしたらもう既に愛想を尽かされてしまい、好きなのは自分だけなのではないか。
自分には飽きて本格的に伏黒にシフトチェンジしてしまうのでは無いか。
本人に何も聞いていないのにそんな不安が募ってしまい、乙骨は小さな悲鳴を上げてベッドに潜り込んだ。















翌日の学年合同での体術の授業。
乙骨が抱えている不安など知らないAは、今日も楽しそうに伏黒と話している。
乙骨はその様子を階段に座ってただただ眺める事しか出来ない。



『恵せんぱい!この前恵せんぱいか貸してくれた本、映画化するみたいですよー!』



「え、まじか。」



「あー!俺その予告見たけどめちゃくちゃ面白そうだったぜ!」



「あれは絶対に当たりだよね!俳優さんも有名どころの人ばっかりだったし。」



「推理ものでしょ?私は無理ね〜。」



訓練をしながら、楽しそうに会話をする5人。
僕の彼女なのになぁ、何て思ってしまい、嫉妬は増すばかりだ。



「はーい交代ー。次4年生ねー。2.3年は休憩してね。」



五条の呼び掛けで、4年生は準備運動を始めた。
そんな乙骨の元へ、Aが駆け寄ってきた。



『憂太せんぱい、何か元気ないですか……?』



乙骨の顔を覗き込み、心配そうに眉を下げるA。



「いやぁ……ははっ……。何でもないよ。」



原因は君だよ、何て言えやしない。
乙骨はAに背を向け、訓練を開始した。



『…………?』

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ぱーぷる姫(プロフ) - リクエスト全て叶えてくださって、本当にありがとうございます!!感無量です。 (2022年11月11日 5時) (レス) id: be661beda4 (このIDを非表示/違反報告)
ぱーぷる姫(プロフ) - こっちにもあっちにも失礼します!もうルンルンで読んでます!何度読んでも色褪せない美しさのあるお話しで大好きです!! (2022年11月11日 4時) (レス) id: be661beda4 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - ゆきな☆さん» うわあああありがとうございます(´;ω;`)頑張ります!!! (2021年9月14日 19時) (レス) id: fa378eaf30 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな☆(プロフ) - 続き待ってますっ!!お体に気をつけてくださいね!! (2021年9月14日 19時) (レス) id: ccfc63a9dd (このIDを非表示/違反報告)
ぱーぷる姫(プロフ) - お姫様?!なんと素敵なあだ名を!ありがとうございます!更新が楽しみです! (2021年8月20日 1時) (レス) id: be661beda4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はる | 作成日時:2021年8月12日 5時

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