夢見るうさぎのないとめあ【青葉城西】【男主】 (ページ19)

今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:20,138 hit

悪夢－18日目－ページ19

『徹くん…？』

及「Aだね！今日からよろしく！」

とても元気な男の子だった

及「珍しい髪の色だね」

『変、かな』

及「そんなことないよ！凄いかっこいい」

『え？』

そんなこと言われたのは初めてだった

嬉しかった

及「俺、バレーが得意なんだ！やってみる？」

お兄ちゃんは僕に色々なことを教えてくれた

『こう？』

及「そうそう！ちょー上手い！」

岩「俺も混ぜろ！！」

3人でよく遊んだ

とても楽しかった

この時間が続けば良いと思っていた

中学に上がってから、僕はパーカーのフードを被って顔を見せないようにした

及「別に誰にもなんも言われないよ」

『ただ、自分が見せたくないから』

また、からかわれるのが嫌だった

だから僕は自分のことを隠した

母「徹に病気のこと言った？」

母さんは病気のことを伝えた方が、学校で何かあったときに安心だといつも言っていた

『うん』

僕は嘘をついた

病気のことなんて言えるはずがない

これ以上人に迷惑をかけたくない

岩「バレーやんないのか？」

『フードとらないといけないじゃん。僕はマネージャーやるよ』

及「助かる。美味しいドリンク作ってね」

バレーが好きだった

僕がもっと健康な体だったら

2人と一緒にバレーが出来たのかな…

.

.

楽しい時間にも終わりがやってくるものだった

母「どうしたの！？」

中2の春休み

例年より早く桜が満開になった頃

僕とお兄ちゃんの仲が悪くなり始めた頃

今まで快調だった僕の身体の具合が急に悪化したのだ

父「東京の病院に君のお母さんを長年診ていた医者がいるそうだ。そこに行って見てもらったほうが良い」

『東京？』

父「早く行った方がいい」

母「私がついて行くわ」

『お兄ちゃんには…このことを言わないで…』

父「わかったから早く行ってきなさい。病院には俺の方から連絡しておく」

(まぁ、軽い診察で終わりでしょ)

.

.

『え？入院…？』

「うん。君のお母さんの時よりよっぽど重症だ。長期の入院になるかもしれないよ」

嘘でしょ？