涙の意味 ページ32
色羽side
どうしよう、、、完全に油断していた。
まさか見られるなんて、、、兄様でさえよく思ってないこの目を見られるなんて、、、。
特にこの人には見られたくなかった。あぁ、、どうしよう、、、絶対嫌われた、、、。
この人に嫌われたら、、、僕は、、、
混乱していると頭に手が置かれた。
一「大丈夫か?熱あるんだから寝てろ。
寝てるのにちょっかい出して悪かったな。気にすんな」
優しさが痛い。本当は気味悪がってるのにそれを隠して僕を落ち着かせようとしてる、、、その優しさが痛い。
折角変な誤解が解けたのに、、、あっちに嫌われたんじゃ何も意味が無い
『や、やだ、、、嫌いにならないでください、、なんでも、なんでもするから、、、いいように使われてもいいから、、、嫌わないで、、、』
頭を抱えて声を絞り出す。
無駄なあがきかもしれないが、、、それでも、、、それでもこの人にだけは嫌われたくない。
一「なんで俺がお前を嫌うんだよ?」
『だって、、、変な力持ってて、、こんな目って、、、どう見ても化け物じゃないですか、、
兄様でさえいい顔しないのに、、他人のあなたが嫌わないわけ、、ないじゃないですか、、』
僕は化け物なんかじゃない、、、そう、"僕は"
一「そんくらいで嫌いにならねぇよ。
それに、、、
綺麗だぞ?そっちの目。」
『え?うそ、、え?』
一「綺麗だぞ。俺は好きだ。
だからそんなに泣くな」
双六先輩が優しく頬を拭ってくれて初めて、自分が泣いてることに気がついた
ずっと怖かった。この目を見たら双六先輩は僕の事を嫌いになるのではないか、と。
だからほっとしたのだ。双六先輩はどんな僕でも受け入れてくれるってわかって嬉しかったんだ。
嬉しくて安心して涙が次から次に出てくる。
双六先輩は拭いても無駄だと思ったのか、優しく抱きしめてくれた。
一「俺はお前がどんな姿でも、、人間じゃなくても、、、変わらず愛してる。」
『僕、、しっかりなんて、してないです。本当は不器用で、、人一倍努力しないと何もできません。
運動も出来ないし、、綺麗でもなければ胸もありません。身長だって双六先輩の視界に入らないくらい低いです。
本当はわがままでヤキモチ妬きで、、、とにかく悪いところしかないです。
それでも、、、こんな僕でもいいんですか?』
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作者名:賢者。おぱんてぃ | 作成日時:2018年12月19日 1時