【ナンバカ】南波のナイチンゲール (ページ24)

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兄なるものページ24

犬士郎「いいいい色羽！？どうしたのだその傷は！！」

兄様が青い顔をしながら僕の唇の端を指差す

『噛んじゃって、、、治癒使うまでもないのでほっといてたんです。』

犬士郎「可哀想に、、、痛いだろう？」

心配そうな顔をしながら撫でてくれた。

やっぱり一途で、、、優しい人の方が理想だよね。兄様みたいに。

まぁ、、、兄様は別の人が好きなのだが。

たまに看守長さんが羨ましくなる時がある。こんなに素敵な兄様に思われてるなんて、、、羨ましさこの上ない

犬士郎「色羽？何故そんなに悲しそうな顔をしているのだ？

、、、やっぱり。す、双六っ、、双六一と何かあったのか？」

『何もないですよ。あの人は尊敬しているいい先輩です。それ以上でも以下でもありません。

、、、好きなんかじゃ、、ありません。』

何を言ってるんだ僕は。こんなの好きだと言ってるようなものじゃないか。

自分を責めていると兄様がふわっと抱きしめて、背中をさすってくれた。

犬士郎「すまない色羽。最近様子がおかしかったのにろくに話も聞けず、、、

でも、、、猿門にばかり話したというのは少し焼けてしまったな。私にも何があったのか話してくれないか？」

兄様の優しい声に自然と涙が溢れてくる

嗚咽混じりで拙くも、兄様に全部話した。

ファーストキスをなかったことにされて傷ついたこと

あまりに女性への対応が手慣れていて不安になったこと

あんな素敵な人に自分なんかが好かれるわけがないと気付いたこと

双六先輩の過去のいろんな女性に嫉妬してたこと、、、全て話した

兄様は僕を膝に乗せながら黙ってずっと背中をさすってくれた。

話し終えたら心も落ち着いて、兄様の胸の中でうとうとしている。

薄れていく意識の中、兄様の低くて優しい声が聞こえた

犬士郎「これは独り言なのだが、、、

双六一が色羽に惚れたのは、、11年前だそうだ。

トラックに轢かれて軽傷を負った(←)双六一に幼い色羽が泣きながら駆けつけ、治癒を使ったらしい。

まるで空から舞い降りた救いの天使のようだったと言っていた。

それからというもの、、褒められたことではないが色羽について調べあげ、色羽だけを思って、、、運命的に同じ職場になったそうだ。」

そうなんだ、、、と。少し幸せな気分で眠りについたのだった。