裏返せば、影 ページ6
セブルスは他の先生と同じように出席をとった。
何故かAの名前を呼んだ時に意味ありげな沈黙を入れたが、特にどうと言うこともない。しかし、ハリーの名前を呼んだ時は違った。止まったかと思えば、猫撫で声で話し始めたのだ。
｢あぁ、さよう…ハリー・ポッター。我らが新しい――スターだね｣
スリザリンの席から馬鹿にした笑いが聞こえる。
Aは、あの教師が普段と全く違うことに驚いていた。確かにスリザリン贔屓とは聞いたが、これほどまでなんて。しかも、ハリーばかり――。
｢このクラスでは、魔法薬調剤の微妙な科学と、厳密な芸術を学ぶ。このクラスでは杖を振り回すような馬鹿げたことはやらん。そこで、これでも魔法かと思う諸君が多いかもしれん。フツフツと沸く大釜、ゆらゆらと立ち上る湯気―――｣
セブルスは教室をうろうろと歩き回りながら話す。静まり返った地下牢には、彼の足音と声だけが響いていた。
Aは、何だかセブルスのポエミーな演説を聞くのが面倒になって、教科書を枕にして寝る体勢をとり始めた。それを見た隣のロンは咎めるが、Aは大丈夫だと言ってそのまま机に突っ伏した。
｢我輩が教えるのは、名声を瓶詰めにし、栄光を醸造し、死にさえ蓋を―――｣
そこまで言いかけたところで、セブルスはAの横で止まった。
ほら、言わんこっちゃない――ロンはなるべく知らないふりをしようと彼女から目を背けた。
｢………｣
｢………｣
何故かスリザリンからも息を呑む音が聞こえる。しかし当の本人は何も知らずに、静かに寝息を立てて寝ていた。
｢…ウィーズリー。何故貴様はこいつが寝ると知っていて注意をしなかった？グリフィンドール5点減点｣
｢………いっ…たぁ…！｣
そう言ってAの横を通り過ぎると、先程の演説の続きを始める。ついでに、Aの頭を分厚い本の角で殴ってから行ったようだ。
グリフィンドールは何故Aが減点されないのか、とこそこそ話し合っているのをセブルスに睨まれ、しん、と大人しくなる。
ロンは理不尽だ、と言わんばかりにしかめっ面をしていた。
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まのじぇに(プロフ) - ベルモットさん» 引き続き読んで頂きありがとうございます！夢主ちゃんにはまだまだ本人も知らない秘密が眠っているので、それが明かされていく過程も楽しみにしていてくださいね♪ (2019年9月6日 18時) (
レス) id: b42c29f2f0 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 拝読させて頂いています。ベルモットです。ハリーポッターシリーズは以前から好きだったので自然と興味が出ていました。夢主が冷静で獅子寮でも純血なのでスリザリンの目の敵で、凄さがありますね。 (2019年9月6日 12時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ess(プロフ) - アケメネスさん» 圧倒的感謝…！！この物語は99%が妄想でできてるんです、文章力なんてないんです(´；ω；｀)でも嬉しいお言葉ありがとうございます！これからも頑張ります(≧▽≦) (2018年3月15日 13時) (レス) id: fe1d712b38 (このIDを非表示/違反報告)
アケメネス(プロフ) - 好きだ、、、めちゃくちゃ好きです、、、。素敵な物語をありがとうございます。文章力、想像力、全てにおいて尊敬です！！続き楽しみに待ってます。 (2018年3月15日 10時) (レス) id: ba4ae53b18 (このIDを非表示/違反報告)
ess(プロフ) - 名無し37805号さん» そう言っていただけて嬉しいですー！｡ﾟ(ﾟ＾ω＾ﾟ)ﾟ｡更新頑張りますね！(*^^*) (2017年9月19日 6時) (レス) id: 6d83731746 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まのじぇに | 作成日時：2017年8月21日 10時
