肆 ページ26
その言葉を聞いて、愕然とした。
(私だけじゃ、なかったんだ。中原少年も、私と＿)
どんな事情があるのかは知らない。どうして彼が私から離れて行ったのかも判らない。けど、これだけは確かだと思いたかった。
私も彼も、ずっと友人になりたい人に対して…素直になれなかっただけなのだ。
私はやっと、どうして佐々城の目を見て復讐心を無くしてしまったのか、判った。彼に似ていたからだ、中原少年が私に襲いかかって来た時の目と同じだったからだ。
彼女だって、もしかしたらこんな事をしたくないのかも＿そこまで考えて、私は首を横に振った。
(否、駄目だ。彼女は私の�猯琉茘瓩鮨�した。もう容赦しない…)
バァン！
扉のある方向から爆発音が聞こえた。佐々城がレダクトか何かで破壊したのかもしれない。そういえばあの扉は中原少年が鍵をかけていた筈だ。
「どこにいるの…出て来なさい！」佐々城は痛みを堪えるような声を上げた。
私たちの身体は縮こまって、息を殺していた。
「クソッ、もう一度呪文を…」
「駄目！相手も警戒してる筈だしこの隠れ場所がばれちゃうよ！」
「でもそうでなくたって、いずれ見つかるだろ！」
「どうすりゃいいんだよ！」と悔しがる中原少年を見て、私だって怒鳴り返してやりたかった。先刻から、どうこの状況を打破しようか考えていたからだ。
(何か、何か武器になるものは＿)
懐中を探ると、固い木材のような感触が指の腹に触れた。すぐにそれを取り出した。
(これ、森さんがくれた＿)
『箱は正直だ。�猊�要のない時は空箱だし、いざとなれば必ず君を助けてくれる�瓠�
脳裏に彼の言葉が過った。そういえば、太宰少年からの簪と共に、この箱も肌身離さず常に持ち歩いていた事を忘れていた。
いざとなれば。正にこの箱はこの時の為に渡されたのではないだろうか。
「？おい。何だよ、それ」
私は中原少年を無視して、箱を開けた。中に入っていたのは＿キラリと光る、銀色の細長い棒だった。そう、指でも摘めてしまいそうな…。
(＿針？)
「おいおい…まさか、そんなんで闘おうってんじゃねえよな？」
冗談きついぜ、と云いたげな顔を少年はしていたが、私だってそんな顔をしたい。どうしてこんなものが？こんなものでどうやって＿次の瞬間、私の頭に稲光のような衝撃が走った。
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サラ(プロフ) - しぇるふぃあ。さん» こんな細かい描写にも気づいて頂けるなんて物書き冥利につきます！消せませんよ、でもここでは説明し切れないので後日改めて説明させて頂きますね! (2018年12月13日 20時) (
レス) id: 4e09bde857 (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - しぇるふぃあ。さん» お久しぶりです。しぇるふぃあ。さん、すごく読んで頂いているようなのでとても嬉しいです、ありがとうございます。 (2018年12月13日 20時) (レス) id: 4e09bde857 (このIDを非表示/違反報告)
しぇるふぃあ。 - ところで夢主ちゃんは前世が国語教師なのですよね？だったら41pに出てくる安吾さんの名前は知ってるはず…と違和感を覚えました(・・?) はっもしや伏線？ネタバレに触れるようでしたらこのコメントはそっ消ししてくださいm(_ _)m これからも陰ながら応援してます!! (2018年12月13日 19時) (レス) id: a3aac3bf63 (このIDを非表示/違反報告)
しぇるふぃあ。 - お久しぶりです！しばらく顔を出せなかった間にすごく進んでて一気読み不可避でした…あんまり好きポインツ語るとコメ欄ネタバレになるので控えますが仲直り本当に良かったです(ネタバレ) (2018年12月13日 19時) (レス) id: a3aac3bf63 (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - 紫苑さん» 応援ありがとうございます!頑張らせていただきます！ (2018年12月2日 23時) (レス) id: 4e09bde857 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サラ | 作成日時：2018年9月20日 12時
