伍 ページ44
あ、そうか。私はやっと理解した。今、私の目に彼の旋毛しか映らないのは、彼がその頭を下げているからだと。
「今回の事件が起こったのは…偏に我々魔法省が魔法処内部への警戒を怠った事が原因です。もし、私が被疑者の悪意にもっと早く気付いていれば…避けられた事態でした」
坂口安吾はなかなか頭を上げようとしなかった。
「…頭を上げてください」私の口からまた、ぬるりと言葉が出て来た。まるで岩の隙間の巣から出て来た蛇のように。
恐る恐る、といった様子で坂口安吾の頭が上がった。私の表情を窺っているかのようだった。否、若しくは彼が感じていたのは…私が口から出した�犲悗了Φき瓩�。
「魔法省を代表してのご心配痛み入りますが…結構ですよ。私、貴方がたを赦す気が更々ないので」
刹那。その場の空気が凍りついたような気がした。いつも微笑を湛えている森さんでさえ、それら凡てを取り払ったかのような表情をしていた。
けれど、私にはこの場にいる、自分以外の凡ての反応の方が異常だと思っていた。
「…何故、そのような顔をなさるんです？」
只、字面だけ見れば、私の質問は年相応の純粋なものと受け取れただろう。けれど声色は幼子の無垢さとは到底かけ離れた、慈悲の無さを帯びていた。絶対に、子どもが出せるものではなかった。
「…どうして、�爐△糧姚瓠�貴方は新庄達を捕縛しなかったんですか？」
次に私がした質問は謂わば、私の根底から絡まっている怒りと憎しみの具現だった。
「あの晩、私が一番に味わった�犇寡櫚瓩任靴拭Ｃ�一人味方がいなかった。
�牘�辱�瓩睫�わいました。どうして、あのような辱しめを受けなければならなかったのか、不思議で仕様がなかった。
…何より、底知れない�狹椶雖瓩忙拉曚気譴拭２晋痢�同じ学び舎で机を並べ、同じ色の血を流す、杖を持たないだけの�狷餌沖瓩�、あのような目に遭っている事に、誰も疑問すら抱かなかったのか！人を死に目に遭わせておきながら、ほんの少し咎められただけなのか！彼らは只、
私の目からは、また涙が流れていた。それが頬を伝い、やがてはどこかへ落ちた。この涙の落ちる音が聞こえたのは、たった�牋貎有瓩世韻世辰拭�つい最近までは。
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サラ(プロフ) - しぇるふぃあ。さん» こんな細かい描写にも気づいて頂けるなんて物書き冥利につきます！消せませんよ、でもここでは説明し切れないので後日改めて説明させて頂きますね! (2018年12月13日 20時) (
レス) id: 4e09bde857 (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - しぇるふぃあ。さん» お久しぶりです。しぇるふぃあ。さん、すごく読んで頂いているようなのでとても嬉しいです、ありがとうございます。 (2018年12月13日 20時) (レス) id: 4e09bde857 (このIDを非表示/違反報告)
しぇるふぃあ。 - ところで夢主ちゃんは前世が国語教師なのですよね？だったら41pに出てくる安吾さんの名前は知ってるはず…と違和感を覚えました(・・?) はっもしや伏線？ネタバレに触れるようでしたらこのコメントはそっ消ししてくださいm(_ _)m これからも陰ながら応援してます!! (2018年12月13日 19時) (レス) id: a3aac3bf63 (このIDを非表示/違反報告)
しぇるふぃあ。 - お久しぶりです！しばらく顔を出せなかった間にすごく進んでて一気読み不可避でした…あんまり好きポインツ語るとコメ欄ネタバレになるので控えますが仲直り本当に良かったです(ネタバレ) (2018年12月13日 19時) (レス) id: a3aac3bf63 (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - 紫苑さん» 応援ありがとうございます!頑張らせていただきます！ (2018年12月2日 23時) (レス) id: 4e09bde857 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サラ | 作成日時：2018年9月20日 12時
