蛇寮生による溺愛 S.S □ ページ4
「相変わらず君はスリザリンらしくないな」
毎朝顔を合わすと上から下まで舐める様に、ドラコのチェックが入って顰めながら言われる
「そう？」
首を傾げるAは黒髪を低い位置で纏めているが、その髪飾りが猫の髪飾りや、花のモチーフだったりする
極めつけは、今している薄ピンク色の大きなリボンだ
「この色好きなのよね。リボンの太さと艶も好みで可愛くって」
Aはスリザリン生の中で可愛い物好きな変わった女子生徒。でホグワーツに知れ渡っている
「！スネイプ先生がハリーポッターに絡んでる！狡いぞポッターッ！！」
そして重度のセブルス愛が尋常じゃない
「はぁ...。スネイプ先生の論文て素晴らしいのよ？夜更かしして読み返してしまったわ」
「行きましょうドラコ」
また始まったと言わんばかりに、そそくさと姿を消したパンジー達に取り残された
そこにたまたま通りかかったセブルスと目が合うと、あからさまに顰めっ面をして来た道を戻る
「え？ちょ、スネイプ先生！まだ何も言ってないのに何故背を向けるんです？！」
追いかけて行くAを見て、廊下で笑う生徒達を睨み付けながら地下牢に真っ直ぐ足早に歩いて行く
「スネイプ...せんせ、」
ゼェゼェ言うながら駆け込んできたAが部屋に入ると、魔法で鍵を閉めた
「...会いたかったよセブルスー！」
それが合図になって思いっきり背中に抱き着いた
「貴様は人前で恥を晒すしか脳がないのかね？」
「だって1ヶ月も休暇って長いよ？お手紙でやり取りしてくれて嬉しかったけど、やっぱり会えたら抑えられないじゃない！」
振り返りもしないセブルスの背中に顔を擦り寄せると、薬品と石鹸の匂いで満たされていくのがわかる
Aの気が済むまで暫くそのままにしてやると、スッと前に回り込んで来てまた抱き着いてくる
「...何をしてる」
「セブルスとの愛の抱擁よ」
「勝手にやっているだけのように見えますがな」
「それでもいいの。邪魔じゃない？」
横目でAを見ると途端に笑顔を向ける
それは深い深い溜め息を付くと、読んでいた本を持ってAの腕を引き二人がけのソファーに座らせる
「終わるまで待っていろ」
「えぇもちろん！」
Aも持っていた本を隣で読み始めた
暫くしてセブルスが本を閉じると、不意にAの読んでいた本が気になり題名を見ると以前出した魔法薬学の論文だった
「言えば渡したものを」
「え、くれるならサインしてね」
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作者名：マルル | 作成日時：2021年4月7日 8時
