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「バレてたんだ」
「これが見えてたんだね。」


シリウスは破れたウェディングドレスを掴んで言うと、この衣装にしたのを後悔した


「で?何故隠れてたんだ?」
「あなただって気付かなかったから...」


意味深げに隣に立つと月夜を見上げるシリウス。
それに釣られるようにして見上げると、ポツリと隣で息を吐いた。


「月が綺麗だな。」
「あら。ロマンチック。」
「本心だぞ?」
「さぁねー。」

なんてふざけながらまたクッキーを1枚取り出して食べる。
その横顔を見ていたシリウスは、おもむろにAに近付くと腰に手を回し頬に手を添えた。


「シ..リウス...」


か細く聞いてもシリウスは何も答えず、じっと見つめる。
まるで吸い込まれるかのように時間だけが過ぎていった。
頬に添えられた手は優しく撫でられ、優しい瞳で微笑んで熱く見つめられる。


「...今日1日Aの仮装が素晴らしいと話題になっていてね。直接見たくて探しに来たんだ。」
「手抜きだけど、ね。」
「いいや。君はどんな宝石よりも美しいよ。」


そう言ったシリウスは軽く上を向かせて少し視線を絡ませると、顔を近づけて優しくキスをした。


「っ、!!」


真っ赤になったまま固まるAにクスリと笑うと、また熱い視線を絡ませる。


「年甲斐もなく恋をしてしまったらしい。」
「...え?」
「気付いたらAを追っていた。私の恋人になってくれないか?まぁ逃がすつもりもないがね。」
「わ、わた、わたし...シリウスが好き、です...」


ウィンクして言うシリウスにAはぎこちなく伝えると、嬉しそう微笑んで再度キスをする。
啄む様なキスから、角度を変えて何度も何度も。
Aを味わうようなキスに耐えきれず、足の力が抜けると咄嗟にシリウスが支える。


「少し刺激が強すぎたか?」
「なっ///」


額をコツンと合わせてから、そっと抱き締められる。
鼻腔いっぱいに広がるシリウスのコロンが夢じゃないと物語っていた。


「...お菓子くれなきゃイタズラするわ。」
「生憎なにも持ち合わせていなくてね。これで我慢してくれないか。」


そう言ってキスをしてくりシリウスにとうとう顔を手で隠した。
頭上からは小さく笑い声が聞こえる。
悔しいと思う反面、嬉しさが勝っていてあまり気にもしなかった。


「お菓子かイタズラか。」
「...え?」
「お菓子かイタズラか。どっちだい?」
「お、お菓子もう持ってないわ。」
「なら...イタズラだ。」
「ちょ、待っ「もう待てない。」

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作者名:マルル | 作成日時:2021年4月7日 8時

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