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「こんな事やめて。」
「あのな...ジェームズの話を聞いてなかったのか?こいつはスリザリンだぞ!」
「シリウスは純血で私は穢れた血だって言ってるような物よ」
「それは大袈裟すぎないかい?」
「寮を血で言う変えただけの話だわ。それに多勢に無勢...シリウスがやってる事は毛嫌いしてる人間がやってる事と変わらない」
「少なくとも俺は愛想ふりまいて、男に媚び売りまくってるような奴じゃないぜ」
「...そう思われてるならそれでいい」
躊躇いつつスネイプに手を差し出すと、少し間を置いて手を借りて立ち上がった
目の前の光景にシリウスが苦虫を潰したような顔になる
「私は堂々と隣りに並んで歩きたくて変わりたかっただけ。お願いだから、もうこんな事しないで」
「少し見た目を変えて話しかけられたからって調子に乗るなよ」
「シリウス!!!」
ジェームズの声に我に返ったシリウスは、自分が冷たい言葉で傷付けてしまったと気付いた時には遅く、悲しみに満ちた顔で見つめるAに目を見開いて言葉を失った
「そうよね...ごめんなさい」
背中を向けて早足でその場から逃げる様に離れると天文台で暫く1人になって溢れる涙を流した
気付けば泣き疲れて寝てたらしく、起き上がると日が傾き始めて流石に寒くなってきたが、寮に戻ったのは消灯ギリギリだった
「A!!セブから話は聞いたわ!」
リリーがすかさず抱き締めてくれると背中をさすった
「ポッター達を止めてくれたのね。その時シリウスと喧嘩させてしまったって話してくれたの」
「...謝ってない...」
「え?Aが謝るの?」
「シリウスの近くに居ながは、あんな事してるなんて気付かなかった...。私では止めれなかったけど話す事はもっと早くに出来たはずだった...気付きもしなかった事が、止められなかった自分が悔しいよ」
「A...あなたは優しい人だわ」
「リリー、ごめんなさい。親友を傷付けたシリウスを止められなかった。本当にごめんなさいッ!」
リリーは涙を流して謝るAを優しく抱き締める事しか出来なかった
次の日から2人は4人を避け続けた
特にリリーは徹底的に無視を決め込んで、Aは自分磨きをやめてまた陰口を言われる生活に逆戻りしていた
シリウスに出くわさないよう早めに広間に行っても食事は喉を通らず
授業もシリウスが分かりやすく教えてくれていたのだが、また分からない事だらけですぐに課題が山積みになった
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作者名:マルル | 作成日時:2021年4月7日 8時