天然記念物 S.B 〇 ページ1
「ねぇシリウス。今日は暇なんじゃない?」
「は?暇な訳ねぇだろ」
「シリウス、少し時間ない?」
「あ、シリウス!おはよう!」
朝からシリウスに群がる女子達を横目に通り過ぎると、教卓の前から2列目の端(いつもの特等席)に座る
すると、前に座っていたエミリーが待ってましたと言わんばかりに振り返ってきた
「ねぇリーマスくん居たね!」
「うん、見かけた。良かったね」
「本当!暫く顔色悪そうにしてたから、密かに心配してたの!」
凄く嬉しそうに話すエミリーはマローダーズとして有名なリーマス・ルーピンを追い掛けてる
彼女いわく、友達にはなりたいけど恋人はおこがましい!らしい
ドサッ
隣に誰かが座ったが、小声で顔を近づけて話し込んで気にしなかった
「それにリーマスくんの傷がまた痛々しかったの...」
「私も思ってた。薬とかあげたいけど医務室に行った方が確実だしね」
「でしょ?あぁ話してみたいけど話題もないし顔見知りじゃないしなぁ...」
「なら甘い物作戦は?」
「何それ楽しそう」
話に乗ってきたエミリーにニヤリと笑う
「ルーピンくんの極度すぎる甘党を利用して、お菓子片手に大丈夫か聞くの」
「それから?」
「味の感想も良かったら教えてね、とか何とか言って一旦引く。ルーピンくんは紳士だから必ず感想を言ってくれるわ。そこから次の会話に持って行けばいい。」
「さすがA!」
「但し体調の事は深追い禁物ね?何か持病のせいかもしれないし」
「わかったわ。で、そのお菓子は何がいい?」
「もう用意してる。中身がとろけるフォンデショコラ。チョコレート好きが薦めるチョコレート菓子第1位よ」
「まさか手作り?!」
「独自ルートよ。さぁほら!今がチャンス!」
Aに背中を押してもらい、フォンデショコラ
片手に緊張した面持ちでリーマスに話し掛けに行った
「食べたかったな...」
小声で呟いたら、隣から笑い声が聞こえて眉間に皺を寄せて見るとシリウスが口に手を当てて堪えていた
「お前、なかなかやると思ったけど...そっちかよ」
「...聞こえてた?」
ニヤリと笑うシリウスに冷や汗が流れ、何処と無く悪い予感がする
「黙ってて欲しいか?」
「ルーピンくんなら気付くんじゃない?」
「だろうな。あいつはそんなに甘くない」
「手ぶらだとね」
「違いない」
少し笑うと先生が入ってきて、エミリーが戻って来るとシリウスに気付いて驚いた顔でAを見て座った
「(チョコ...)」
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作者名:マルル | 作成日時:2021年4月7日 8時