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腕時計の針が集合時間まであと15分だと告げている。顔を上げると頬を撫でた心地の良い風。まるで春の訪れを告げているかのように、今日はいい天気に恵まれた。
出会ったころはまだ冬の真っ最中だったのにも関わらず、季節が春らしくなっている所から3ヵ月という月日が思いの外長かったことに今更気が付く。なら尚更彼の気持ちの変化という物に怖くなるが、この前の返事に肯定が返ってきたのだからそう不安になる必要はないはずだ、とスマホにトーク画面を映し出した。
今週の週末に、お昼を一緒に食べに行きませんかと私はあの夜、勇気をもって打ち込んだ。それから1時間ほどして返信は戻ってきた。「いいですね、いきましょう」これが彼からの返答だった。
それから瞬く間に日は過ぎて、私は今約束した時間に約束した場所で彼を待っていた。
首元をレースで飾った白のブラウスに、春らしいパステルグリーンのロングスカート。ジャケットを羽織って、足元には動きやすいスニーカーを。普段は胸元に下ろしたロングの髪も、ゆるくシュシュでお団子に、顔はもちろん薄く化粧で着飾って。――そう、今日は私なりにお洒落に力を入れたのだ。
なぜ気合を入れるのか。それはトントンへ告白をするため。
きっかけを与えてくれたのは彼だ。だったら今度は私から。
大丈夫。どこで言うのかも、どんなふうに言うのかも。全部シミュレーションしてきたから。
きっと何とかなるはずだ。
ふと腕へまた視線を落とすとあれからまだ3分しか経ってない。思いの外、私は今日のお出かけを楽しみにしているらしい。でも、緊張しているのも確かで。今までにない気持ちの揺らぎ様に苦笑いをした。世の中の女の子たちはこんな気持ちで恋してるんだなと。
「A…よ、な？」
ぽん、と叩かれた肩と直ぐ傍から聞こえてきた低音。振り向けば久々に見た赤が私を見つめていた。彼の言葉に瞬きを繰り返した私だったが、直ぐに我に戻り久しぶり！と声を掛けた。しかしトントンは暫しの沈黙ののちに口元を手で隠してしまう。
「調子悪いの？」
「や、ちゃうんやけど、」
Aが、めっちゃ可愛くて吃驚してもうたわ。そう頬を赤に染めながらトントンは笑う。数秒経ってその言葉の意味を知った私は、頬が熱くなるのが分かった。
「…それじゃあ、行こか」
「う、うん」
まずいなあ。今の一瞬で考えてきた告白の文章を忘れそうになってしまった。
大丈夫かな私。
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ももね(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます！喜んでくださったようでうれしく思います。私自身も「お友達から始めませんか、」は特にお気に入りのお話でしたので続編を書くのはとても楽しかったです！この度はリクエストありがとうございました！ (2020年5月14日 22時) (
レス) id: 2fa0c60296 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - ももねさん» ももね様！リク消化ありがとうございます！もう好きすぎて言葉に表せないくらい好きです！ももね様！本当にありがとうございました！愛してます！ (2020年5月13日 22時) (レス) id: ed57538bc3 (このIDを非表示/違反報告)
ももね(プロフ) - 天真爛漫さん» ありがとうございます！天真爛漫さまのご希望に添えたなら幸いです。今後ともよろしくお願いします！ (2020年5月8日 10時) (レス) id: 2fa0c60296 (このIDを非表示/違反報告)
天真爛漫 - 作者様、素敵な作品を書くてくださり、ありがとうございました！！ (2020年5月6日 21時) (レス) id: 545c0410b5 (このIDを非表示/違反報告)
ももね(プロフ) - りんごさん» はじめまして！コメントありがとうございます。ありがとうございます…！好きなフレーズを題名にさせてもらいました！^^リクエスト承りました！執筆が完了次第投稿させていただきます。よろしくお願いします！ (2020年5月3日 23時) (レス) id: 2fa0c60296 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ももね | 作成日時：2020年4月13日 19時
