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上から声が掛かった。見上げると遅れてやってきた彼が近くに立っていた。その視線は間違いなく私と、隣の男との間に向けられている。
「な、なんでだよ。他に席なんていくらでも、」
「せやったら俺が此処に座ってもええやろ。それとも、」
彼女へのそれ、他の奴に言い広めてもええんやで。そう、眼鏡の奥が鋭く細められた。それは、その男性と私にしか聞こえない程に小さな声だったのにも関わらず、有無を言わせないような威圧が凄くて、真に受けてない私でさえ言葉を失った。
隣の男はというと、小さく舌打ちをしたあと席を立って何処かに行ってしまった。空いたその場所へ何事もなく座った眼鏡の彼。「あいつ何処に行ったんだ？」と席を立つ瞬間を見ていた人に対して、「トイレにでもいったんとちゃう？」なんて白々しく笑って見せた。
周りの雰囲気を壊すことなく、迷惑な男を追い払ってくれた。目の前での鮮やかな救出劇に私は目を見張ったままだ。
「…大丈夫やったか？」
そんな私に気が付いたのか。声のボリュームをさげ、長身の体を屈めながら私にだけ声をかけてくれる。心配げな声色は当初感じたような優しさしか感じない。その言葉に体の力が抜け、そこで私はずっと肩を強張らせていたことに気がついた。
そして思っていた以上に私は、とても怖がっていたんだということに視界が少し滲んだことで気が付いた。目の前の彼が息を飲んだことに気が付いて、目元を慌てて擦る。すると少し遠くからAちゃんどうしたのー？と声が飛ぶ。それに、欠伸しちゃった、飲みすぎたかなぁと笑い返した。一瞬笑い声が響く会場に、安心した。良かった、雰囲気を守れた。
暫くして話の話題が私から逸れたことを確認して、再び隣の彼へと向き直した。
「あの、」
「ん？」
さり気なく声をかけると、枝豆をつまんでる最中だったのか、緑のそれを手に持ちながら首を傾げる彼。
見上げて、小さく深呼吸をしてから、軽く頭を下げながら小声で呟いた。
「ありがとうございました、…助かりました」
おかげで楽しく過ごせそうです、そんな意味を込めて見つめると少しだけ赤くなる頬。しかし、直ぐにくしゃりと緩んだ頬は可愛い。ええって、大事になる前で良かったわ、とはにかむものだから釣られて私も頬が緩んだ。
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ももね(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます！喜んでくださったようでうれしく思います。私自身も「お友達から始めませんか、」は特にお気に入りのお話でしたので続編を書くのはとても楽しかったです！この度はリクエストありがとうございました！ (2020年5月14日 22時) (
レス) id: 2fa0c60296 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - ももねさん» ももね様！リク消化ありがとうございます！もう好きすぎて言葉に表せないくらい好きです！ももね様！本当にありがとうございました！愛してます！ (2020年5月13日 22時) (レス) id: ed57538bc3 (このIDを非表示/違反報告)
ももね(プロフ) - 天真爛漫さん» ありがとうございます！天真爛漫さまのご希望に添えたなら幸いです。今後ともよろしくお願いします！ (2020年5月8日 10時) (レス) id: 2fa0c60296 (このIDを非表示/違反報告)
天真爛漫 - 作者様、素敵な作品を書くてくださり、ありがとうございました！！ (2020年5月6日 21時) (レス) id: 545c0410b5 (このIDを非表示/違反報告)
ももね(プロフ) - りんごさん» はじめまして！コメントありがとうございます。ありがとうございます…！好きなフレーズを題名にさせてもらいました！^^リクエスト承りました！執筆が完了次第投稿させていただきます。よろしくお願いします！ (2020年5月3日 23時) (レス) id: 2fa0c60296 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ももね | 作成日時：2020年4月13日 19時
