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影山のトスは俺のセッターとしての心を大きく揺さぶった。
あいつの見てる世界が知りたいなぁ………
そんなことを考えながら、影山のトスを見ていると影山自身が驕ることなくアタッカーの打ちやすいトスを微調整しながら上げていることに気づく。
元々の才能にあの貪欲さ………
末恐ろしいなぁ…あいつ。
思わずニンマリと頬が緩む俺。
努力する奴って応援したくなんだよなぁ…。
それぞれのアタッカーに対しての影山のトス上げの改善点をメモに取りつつ、視線を菅原に向ける。
菅原のトスは長年の積み上げてきた信頼によってアタッカーの好みを熟知したトス。
………菅原は、昔の"俺"だな。
何となく菅原のトスは高校時代の自分のプレーと被るものがあり、俺は目を細めて懐かしんでいた。
「おー!山口っ今のすっげーハマったな!!」
後輩にも笑顔で接する菅原は、チームのムードメーカー的な役割をになっているようで、彼の一言により、アタッカーたちの表情がノッてくるのがわかる。
天性の技術を持つ影山
と
信頼と安心の菅原。
「……繋心さーん。今年の烏野のセッター、ヤバイっすね。技術の影山に安心の菅原。……試合でうまく使えたら、うちはそれだけでも飛躍できますよ。」
ニカッと笑いかけると困ったような表情を見せる烏養。
不思議に思い首を傾げると、はぁ、と吐き出されたため息。
「そおなんだよ…………でも、スタメンを考えると一番悩むのはセッター……」
「………繋心さんが悩んでる理由って菅原が3年だからっすか?」
「……チッ………そうだ。俺自身も レギュラーじゃなかったからな〜。気持ち、………わかんだよ。」
過去の自分を思いだし遠い目をする烏養の背中をポンと叩く。
「……だからこそ………だからこそ勝ち上がるための強いメンバーでスタメンを組むんですよ!!そうすれば、試合の機会も増えてアイツの出るチャンスも増えるじゃないっすか!!」
「………A………」
熱くなる俺を唖然とした表情で見つめていた烏養が俯いてしまった。
「………繋心さんっ」
「……くくっ……あはははっ!そうだよな!そうだよ。勝ちゃあいいんだよな!!………くそ、こんなことお前に言われるまで気づけねぇなんて……」
上げられた烏養の顔からは、迷いは消え失せ、すっきりとした様子が伺え、俺も思わず笑顔になった。
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haroki(プロフ) - 桜覇 春希さん» ありがとうございます!更新頑張りますp(^^)q (2015年2月11日 17時) (レス) id: 40730f2243 (このIDを非表示/違反報告)
haroki(プロフ) - 霧時雨さん» 嬉しいコメントありがとうございます!!大好きだなんて本当に嬉しいです(//∇//)これからもよろしくお願いします! (2015年2月11日 17時) (レス) id: 40730f2243 (このIDを非表示/違反報告)
桜覇 春希(プロフ) - 続き楽しみにしてます! (2015年2月9日 6時) (携帯から) (レス) id: 33bca1be37 (このIDを非表示/違反報告)
霧時雨 - この作品、大好きです♪ とても面白いです!! これからも応援させていただきます!!更新頑張ってください♪(WωT)←クロ (2015年2月7日 11時) (レス) id: 81dd617abe (このIDを非表示/違反報告)
haroki(プロフ) - カノlove ショタloveさん» コメントありがとうございます!面白いと言っていただけて本当に嬉しいです(>v<)更新頑張りますので、今後とも応援してくださると嬉しいです☆ (2015年1月24日 0時) (レス) id: b2ef463a0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:haroki | 作成日時:2014年11月27日 21時