263 game ページ24
【 稲荷崎side 】
あっさり返されてしまった侑のサーブは、宮兄弟イチオシの銀鏡Aによって気持ちよく１点を決められてしまった。間近で見たAのスパイクに興奮する宮兄弟をよそに、初めてその強打に対峙した角名は、不思議そうに首をかしげていた。
「なんやねん、角名。首なんかかしげよって。」
話しかけてきた尾白に「ん〜なんかキモチワルイだよね」と歯切れの悪い返事を返す角名。尾白はそんな角名を気に留めるが、笛の音が聞こえ、再び意識を試合へと戻した。
＿＿＿＿＿＿＿＿
ピ―――――ッ
「稲荷埼、タイムアウトッ」
その後、Aに連続で３点取られてしまったことで、一旦タイムアウトを取ることにした稲荷埼は、侑を中心にAのスパイク対策を確認していた。
「＿＿＿Aくんはスパイクは、普通のモーションと違ぉて、“サーキュラー(循環)アームスイング”なんやて。せやから飛び上がってから“止まる瞬間”がないからめっちゃ振り下ろしが速い。そんで、跳躍力とバランスも半端ないから、空中も安定して滞空時間が長くなんねん。角名が“合わせづらい”思たんは、これのせいっちゅーことやな。」
「ふーん……止まる瞬間はないけど、空中で止まるって、なんか矛盾してない？」
「分かってへんな、角名。その時間の采配すらあの人の手中ってことや。最強じゃろ？」
「……侑って、どっちの味方なの？まぁ、いいや。とりあえずこっちも踏み込みのタイミングが普段通りじゃだめってことね。」
その後考えるように黙り込んだ角名を見て侑は口角をあげる。
(せや、考えろ、考えろ。あの人は普通じゃ勝てんのや。お前やって攻略法考えんの楽しいやろ？)
満足そうに角名の様子を見つめる侑を見て、治は小さく溜息を漏らす。あの強烈なスパイクに対峙しなくてはいけないのは、角名だけではない。さっき自分も真正面で受けた時に得た衝撃はとんでもなかった。今でも掌に痛みとしびれが残るほどの、威力。侑じゃないけど、ぞくぞくと気持ちが昂ってくる。
(……あぁ、なんか腹減ってきたなぁ。)
この試合はやりたいことが次々に湧いてきて、楽しいが止まらない。こんなこと北さんに怒られるだろうが。
ピーーッ
主審の笛の音が響き渡り、再び試合が始めることが告げられる。
この時、稲荷崎コートにいた全ての選手の視線の先には、目をギラギラと光らせた獰猛な獣＿＿銀鏡Aの姿。
“あの獣をどうやって黙らせてやるか”
そう心をたぎらせて
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狼派(プロフ) - 続き楽しみにしてますうううううううううう！頑張ってください！神作をありがとうございます！ (7月22日 21時) (
レス) @page26 id: 7687561dfd (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - あぁぁぁぁ、めっちゃ気になるやん！続き、楽しみに待ってますわ。応援しとります。頑張ってくなはれ！ (2022年9月18日 16時) (レス) @page26 id: 257f098b04 (このIDを非表示/違反報告)
雪マカロン(プロフ) - 更新ありがとうございます！ (2022年3月27日 21時) (レス) @page24 id: c9091179e7 (このIDを非表示/違反報告)
月 - 続きが楽しみです 頑張って下さい (2022年3月10日 13時) (レス) id: 5ca45dddad (このIDを非表示/違反報告)
山さん - ﾋｪ…………ついに稲荷崎戦来ましたね……ﾋｨｨｨｨ……銀鏡くんがカッコよすぎる……稲荷崎推しだからスゲェ嬉しい……更新待ってます← (2021年9月24日 2時) (レス) @page23 id: a9954d5378 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：haroki | 作成日時：2020年3月16日 2時
