251 game ページ12
ポン、と叩かれた背中。楽しい、と純粋に感じる。やはり俺はコートの上でしか生きていけない生き物のようだ。ここは俺の生きる場所。床もボールも空中も全て俺のモノだ。さぁ、もっと高く、もっと速く、跳ぼうか___
陽和の10番が打ったサーブはジャンプフローターサーブだったこともあり、ややレシーブは乱れたが、そこは及川のナイスカバーにより今俺の視界には高らかに上がるAクイックのボールが映っている。速く、一秒でも速くあのボールに触れたい。まさに獲物を見つけた肉食獣のようにただボールだけを見つめ手を伸ばす。
ドガッ
ブロックは3枚。手を伸ばしているがその手にボールは触れることなく、床を捉える。どこに打てばいいのかなんて、分かりきっていた。空中は俺のステージだから。
「……はは、たまんない。」
床に降り立つAを見て及川はつぶやく。あんなにすごいスパイクが自分のセットによって生み出されているのだ。その歓喜に心が震える。Aにセッターたちが惹かれる理由はこれだ。こんなことをされてしまったら2度とセッターをやめれなくなる。他のメンバーらとハイタッチをするAを見つめていると目が合う。
「「もう一本っ!!」」
重なる言葉に2人の心が震えた。
______
その後も青城のメンバーたちがなるべく俺へとボールを繋いでくれては、上げられたトスを陽和コートへと打ち込んでいった。陽和はというと、このセットは完全に俺が攻撃の要であると分かり、俺の超強打への対策を試行錯誤しているようだが未だに成果は見られていない。そして選手たちの表情はやや曇り始めていた。この展開は正直好きではないが、この俺を中心としたゲームはあくまでこれから当たるであろう他校に初戦でインパクトを与えるための戦略なのだ。
「__さーて、残すもあと3点。Aの遊びもあとちょっとだけど、最後どうしたい?」
陽和サイドのタイムアウト中、タオルで汗を拭きながら及川が尋ねてきた。俺は国見から受け取ったドリンクを飲みながら「決まってんだろ」と返す。
「………ふふ、だと思った。ってことだからまた皆でAにボール繋がなきゃね。」
「おーっ!任せろ。最後だからって、手抜きすんじゃねぇぞー?」
「あ?一ぇ、俺を誰だと思ってんだ?最後まで暴れてやんよ。」
俺の答えに岩泉はニシシと笑い、背中をパシッと叩く。
「頼んだぜ?相棒!」
「ん、任せろ。」
___we connect to you.
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狼派(プロフ) - 続き楽しみにしてますうううううううううう!頑張ってください!神作をありがとうございます! (7月22日 21時) (レス) @page26 id: 7687561dfd (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - あぁぁぁぁ、めっちゃ気になるやん!続き、楽しみに待ってますわ。応援しとります。頑張ってくなはれ! (2022年9月18日 16時) (レス) @page26 id: 257f098b04 (このIDを非表示/違反報告)
雪マカロン(プロフ) - 更新ありがとうございます! (2022年3月27日 21時) (レス) @page24 id: c9091179e7 (このIDを非表示/違反報告)
月 - 続きが楽しみです 頑張って下さい (2022年3月10日 13時) (レス) id: 5ca45dddad (このIDを非表示/違反報告)
山さん - ヒェ…………ついに稲荷崎戦来ましたね……ヒィィィィ……銀鏡くんがカッコよすぎる……稲荷崎推しだからスゲェ嬉しい……更新待ってます← (2021年9月24日 2時) (レス) @page23 id: a9954d5378 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:haroki | 作成日時:2020年3月16日 2時