233 game ページ24
Aらの練習を眺めていた雲雀田監督の隣に一人の男が現れた。気配を感じ、顔を向けた雲雀田はその男に対しニコリと笑顔を向ける。
「……これはこれは、初めまして。青葉城西高校バレー部の入畑監督、でしたよね？」
「雲雀田監督、ご挨拶が遅れ申し訳ない。青葉城西の入畑です。本日は銀鏡を観に来てくれたそうですね。……どうです？代表練習の姿と変わりませんか？」
視線をAに向けたまま、笑みを見せる入畑の問いかけに、雲雀田は自らのあごひげを触りながら「んー」と楽し気な声を出した。
「はは、これがまた、全然違うんですよねぇ。」
「……全然、ですか？少し意外ですね。……正直、代表戦の方が活躍する機会も多いでしょうし。
楽しそうな様子の雲雀田と反対に、表情を苦々しいものへと変える入畑。すると、雲雀田はその入畑の肩をポンと叩き、首を振ってみせる。WSとしてAを起用することに少なからず後ろめたさを感じていた入畑は、雲雀田の反応が理解できず、首を傾げた。
「そりゃあ、甘えて当然ですよ！世界のトップレベルの選手が自分のところのチームに入ってくれたんですから。あなたは間違っていない。……でもね、Aは青葉城西であの子たちと一緒にバレーが出来るだけで幸せなんですよ。」
「あの子達って……及川達ですか？」
雲雀田の言葉に入畑は視線を離れたコートでサーブ練習をしているA達に向ける。今は丁度及川がサーブを打つところで、他の選手たちは静かに見守っているようだった。
「……ほら、見てくださいAの顔。穏やかで、安心した表情をしてる。……先日の白鳥沢戦のビデオも見ましたが、スパイクを打たず守備に徹していても終始楽しそうに笑っててね………Aのあんな顔、代表練習の時に見たことないんです。」
「………！」
「ふふ、いつもあの表情を見ている入畑監督からしたら驚くのも当然ですよね。……でも、AはNYで活躍していた時も代表練習の時も、もっと殺気立っていて……試合の時なんか近寄り難いくらいですからね。」
入畑は「そうでしたか」と呟き、視線の先にいるAをじっと見つめていた。常に強い光を放っては他の選手たちを引き上げて進んでいくAにいつもどうにか恩返しが出来ないかと悩んでいた入畑は、雲雀田の言葉に救われた自分を感じていた。
「あ、それと＿＿＿」
＿＿＿Different figure.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1434人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雪マカロン - 好みにドンピシャにあってて凄く面白いです。1から7まで7週くらいするほど大好きです。続きまってます！ (2020年3月14日 7時) (
レス) id: 294dc32197 (このIDを非表示/違反報告)
あゆ - すっごく面白かったです続きが気になるので無理のない程度で更新して下さると嬉しいです(*^^*) (2020年3月10日 23時) (レス) id: 61bf71a8cd (このIDを非表示/違反報告)
めあ - すっごい面白いです!!この作品大好きすぎます！更新待ってます!! (2019年11月30日 7時) (レス) id: 0ac1360618 (このIDを非表示/違反報告)
ナチ(プロフ) - 内容がヤバイ位ドンビシャです。応援してます♪ (2019年4月17日 18時) (レス) id: 1fe5fa25a0 (このIDを非表示/違反報告)
こと - 作品めっちゃおもしろいです！更新楽しみです (2019年3月23日 8時) (レス) id: ecf82d82cf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：haroki | 作成日時：2015年9月24日 22時
