223 game ページ14
相変わらず活躍する機会の少ない日中の練習が終わり、欲求不満気味の俺は昨晩同様に第３体育館の前までやって来た。両隣には及川と岩泉。何故だかよくわからないが、今日はずっとこいつらの様子がおかしい。会話こそ普段通りするが、何というかいつもの勢いがないのだ。及川に至っては普段はしつこいぐらい抱きついてきたり、文句言ったりしてる癖に今日はそんな素振りは一度もなかった。それどころか目を合わすと困ったように笑う。今も黒尾たちとの自主練についてくるといいながらもここに向かうまでの道中、二人が俺の顔を見ることはなかった。
「おーっA！待ってたぜー！」
「げ、及川……。」
入り口に近づくと既に来ていたらしき木兎と黒尾が駆け寄ってくる。
「ん〜〜？何かなぁ？黒尾くん。及川さんがわざわざ来てあげたのに、酷い言い様だねぇ。」
「あら、聞こえちゃった？」
黒尾のあからさまな態度に対し、全力で嫌悪感を露にする及川。その姿に少しだけ安堵する俺。原因の分からない気まずい雰囲気もここに来て緩和したようにも感じられる。
「Aっ！岩泉っ！早く早く！打ち合いやろーぜ！」
待ちきれない様子の木兎に急かされ、俺と岩泉は館内へと足を踏み入れる。
「＿＿っ！」
ポンと背中に触れた掌の感触。その手の持ち主へと視線を向けると岩泉はニカッと口角を上げ笑っていた。
「やっと暴れられるな。昼間の欲求不満をぶつけてやれよ。」
岩泉は笑っている。でも何故だろう？泣いているようにも見えるのは。離れぬまま触れている岩泉から伝わる熱は俺に何を伝えようとしているのか。
「……そ、うだな。……始めっから全力でいってやる。」
「なにぃっ！負っけーんっ！！おい、赤葦っツッキーっ！今日こそコイツを止めてやれ！」
「……何言ってんですか、木兎さん。銀鏡さん、世界一のスパイカーですよ？なめてませんか？」
「なっ！？赤葦っ味方する方違うからっ！」
「……銀鏡さんのスパイクは数日そこらで止められるレベルではないんですケド。」
木兎の入れた気合いは悉く無気力2人組によって打ち砕かれた。相変わらずなやり取りに笑っていると、いつのまにか戻ってきた及川がその腕を俺の肩に乗せてくる。
「よーしっA！黒尾と眼鏡くん、打ち負かしちゃお♪」
及川は何時もと変わらないように見える。でも、幼馴染みの俺には分かるんだ。二人の醸し出す違和感が。きっとこいつらは俺に言えない想いを抱いていると。
＿＿Incompatibility.
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雪マカロン - 好みにドンピシャにあってて凄く面白いです。1から7まで7週くらいするほど大好きです。続きまってます！ (2020年3月14日 7時) (
レス) id: 294dc32197 (このIDを非表示/違反報告)
あゆ - すっごく面白かったです続きが気になるので無理のない程度で更新して下さると嬉しいです(*^^*) (2020年3月10日 23時) (レス) id: 61bf71a8cd (このIDを非表示/違反報告)
めあ - すっごい面白いです!!この作品大好きすぎます！更新待ってます!! (2019年11月30日 7時) (レス) id: 0ac1360618 (このIDを非表示/違反報告)
ナチ(プロフ) - 内容がヤバイ位ドンビシャです。応援してます♪ (2019年4月17日 18時) (レス) id: 1fe5fa25a0 (このIDを非表示/違反報告)
こと - 作品めっちゃおもしろいです！更新楽しみです (2019年3月23日 8時) (レス) id: ecf82d82cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：haroki | 作成日時：2015年9月24日 22時
