220 game ページ11
【 及川side 】
Aが、自由時間になるや否や何処かへ出掛けていってしまったことを不思議に思い、後をつければ、井闥山学院の佐久早やら、烏野の美人マネちゃんと熱く語り合うAの姿に出くわした。佐久早との話は遠く離れたところにいたこともあり、何を話していたのかさっぱりわからなかったが、今、すぐ傍で行われているマネちゃんとのやり取りによって、佐久早との話の全貌が明らかとなった。
「＿＿俺は嬉しいんだよ。若やサク……それに梟谷の赤葦とか、日本で活躍している選手たちが俺を意識して強くなろうとしてくれている。それってさ、スゲェことじゃねぇ？俺、日本に帰ってきて、何度も"負けらんねぇ"って奮い立たされたよ。」
嬉しそうに語るAの姿に、俺の頬にはいつの間にか流れ出していた涙が細い水流を作り出していたらしい。いつもこうだ。Aが日本に来て良かったと語る姿を見る度に、安堵と嬉しさが込み上げてくる。大好きなバレーを心から楽しめなくなってしまった幼馴染みが、俺たちや他のアイツを慕う選手たちによって、再びその心に熱を灯したんだと。そう思い、俺は溢れ出る涙を止めることも出来ずに、ただ漏れ出そうになる嗚咽を両手で押さえていた。
その時だった。
「＿＿＿でも、俺には時間が無いんだ。」
その言葉を聞いた瞬間、頭に浮かんだその言葉の意味に俺は愕然としてしまう。
続く言葉を聴きたくなくて耳を塞ごうと手を伸ばす。
「俺が………徹たちと過ごせる時間は、＿＿」
が、己の名前が聞こえた瞬間、俺は手を止めてしまった。今思えば、ここで耳を塞ぐことが出来ていたらきっとこんなにも苦しい思いをすることはなかったんだと思う。聞こえてしまった言葉に、俺の心は一瞬にして暗く重苦しいモノへと変わってしまったのだった。
その後は逃げるようにその場を後にし、宿舎へと戻るとキョロキョロと辺りを見回す岩ちゃんに出会した。
「……い、岩ちゃん。」
「あ？及川、Aと一緒じゃなかったのか？」
「違いますーっAなら烏野のマネちゃんと仲良くお喋りしてたよ。」
俺はその顔を見た瞬間、今まで押さえ込んでいた感情の蓋が外れ、激流のように思いが溢れ出そうになってしまった。それを必死な思いで押さえ込み、精一杯笑って見せると、岩ちゃんは表情を変えぬままじっとこちらを見つめてくる。
「……な、何？」
「………何があったんだ？」
その瞬間、俺は抑える術を無くし、その場に泣き崩れてしまった。
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雪マカロン - 好みにドンピシャにあってて凄く面白いです。1から7まで7週くらいするほど大好きです。続きまってます！ (2020年3月14日 7時) (
レス) id: 294dc32197 (このIDを非表示/違反報告)
あゆ - すっごく面白かったです続きが気になるので無理のない程度で更新して下さると嬉しいです(*^^*) (2020年3月10日 23時) (レス) id: 61bf71a8cd (このIDを非表示/違反報告)
めあ - すっごい面白いです!!この作品大好きすぎます！更新待ってます!! (2019年11月30日 7時) (レス) id: 0ac1360618 (このIDを非表示/違反報告)
ナチ(プロフ) - 内容がヤバイ位ドンビシャです。応援してます♪ (2019年4月17日 18時) (レス) id: 1fe5fa25a0 (このIDを非表示/違反報告)
こと - 作品めっちゃおもしろいです！更新楽しみです (2019年3月23日 8時) (レス) id: ecf82d82cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：haroki | 作成日時：2015年9月24日 22時
