5Fr!『熱くなるFeelings』 5 ページ41
「___あれ?そういえば、夏兄一度も息継ぎしていないんじゃ………」
水の中を 誰よりも早く泳ぐAを見つめていた真琴が信じられないという表情で呟いた言葉にハッとする一同。
「なっ……100mで一度も!?そっ……そんなことって可能なんですか!?」
「そんなわけないじゃんっ!!ぎりぎりまで我慢できても100mなんて無理だよぉ!!」
目を見開き驚きを露にする怜に、隣にいた渚がブンブンと首を振り、否定を示す。
「…………凄いな……。さすが、夏兄。フリーダイビングの記録保持者は違う。」
遙の言葉に、少し緊張した面持ちで頷いた真琴は、Aの昔と変わらぬ綺麗な泳ぎと、昔よりも進化している様子に何故か胸が苦しくなった。
(………やっぱり夏兄の泳ぎは綺麗だな…………だけど………俺の知らない夏兄がいるようで…………寂しい。)
___ザバァッ
ゴールへとたどり着いたAは立ち上がると着けていたゴーグルを勢いよく外し、水を切るべく頭を振ると、舞い上がった水飛沫がキラキラと輝いていて。
「う…ぁ………///」
水気を帯た髪を掻き上げる仕草に、ドキリと跳ねる真琴達の心臓。
Aの一つ一つの動きが、全て優美で。
囚われた視線は逸らすことすら許されない。
(…………夏兄が……色っぽい///)
遙は自分の心臓の音を煩く感じ、胸の辺りを掌で抑える。
そして、遙の隣に立つ真琴と渚も、その頬を赤に染めながら熱を帯た視線をAに向けていた。
ハッとした真琴がその足をAのいるコースへと向け歩き出すものの、プールの反対側にいた凛によって、先に手を伸ばされてしまう。
「__夏兄。……やっぱりアンタは凄ぇわっ」
「そうか?競泳は久々だったから体がうまく動かなかったよ。」
しっかりと繋がれた二人の手。
真琴は、そこに凛とA二人だけの世界があるように感じ、表情を曇らせる。
(夏兄………)
____様々な思いが錯綜する中、数秒遅れてゴールへたどり着いた御子柴が、目を爛々とさせながらAに迫り、それを凛が止めに入る騒ぎになった。
「あはは☆なっちゃんは相変わらずモッテモテだよねぇ〜。………どうせ、怜ちゃんも惚れちゃったんでしょ?」
笑顔のまま探るような視線を向けてくる渚に、ムッとした表情を見せる怜だったが、その顔は見事耳まで赤かったのは、言うまでもないこと。
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haroki(プロフ) - ちぇるさん» コメントありがとうございます!大好きと言っていただけて嬉しい限りです!飛べないのは続編ですか?それとも"秘密"のほうでしょうか?秘密はR指定付きなので設定がR指定無しだと見れないようです(>_<) (2021年12月29日 19時) (レス) @page46 id: 37b3065325 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇる - harokiさんの小説面白くて大好きです!(*^^*)URLから小説に飛べなくて、harokiさんのページにもなくて😭どこで見られますか、、? (2021年12月29日 10時) (レス) @page44 id: 4a0d3ce7f7 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜(女) - 見ていてこっちまでもが惚れちゃいました!!! (2015年8月17日 22時) (レス) id: 2bf8696fce (このIDを非表示/違反報告)
haroki(プロフ) - 水魏志(読:みなぎし)さん» 嬉しいコメントありがとうございます!これからも、楽しんでいただけるよう頑張りますp(^^)qお付き合いいたたけると嬉しいです(*^^*) (2015年1月28日 0時) (レス) id: 40730f2243 (このIDを非表示/違反報告)
水魏志(読:みなぎし) - すごく面白いです!!更新、頑張ってくださいね!応援してます!! (2015年1月24日 23時) (レス) id: 5fd0686f6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:haroki | 作成日時:2014年11月12日 11時