5Fr！『熱くなるFeelings』 2 ページ38
綺麗なフォームで飛び込んだはずの怜が、凄い音とともに水面へと叩きつけられ、沈んでいくのが見える。
事態の把握が出来ずにいた真琴と渚は唖然とした表情のまま動けずにいたが、横にいた遙がスッとプール際に行き、その勢いのままプールの中へと飛び込んでいく姿を見て、慌てて自分達もプール際へと駆け寄った。
大量の水を飲んでしまい咽こむ怜の体を遙よりも先に飛び込んでいたAが支えていて。
怜自身、入水角度の計算までは完璧であったはずが、結果こうなってしまったことへの疑問と、泳げない醜態をさらしてしまったことへの恥ずかしさで、激しく動揺してしまうものの、支えられた体から伝わってくるAの熱が、少しずつ自分を安心させていっていることに気づく。
「大丈夫か！？怜っ！」
心配そうに覗き込んできたAの瞳と視線がぶつかる。
瞬間、ドキリと跳ねる心臓。
気がつくと溺れたことへの羞恥心などは吹っ飛んでしまい、心の中が彼のことでいっぱいになっていく。
「……A…さん……///」
怜は少しだけ苦しいフリをして、そっとAの体に自分の身を寄せる。
ﾄクントクン、と伝わってくる鼓動は、心地よく、ずっと触れていたい気持ちにさせていく。
「＿＿＿＿大丈夫か？」
まもなくして現れた遙の姿に、嬉しくもあったが、同時にこの時間が終わってしまうことを悟り、怜は少し残念な気持ちになった。
「…す、すみません。ご迷惑をおかけしました！…･･･実は俺、泳げないんです。」
真琴に手を引いてもらい、プールサイドまで上がった怜がポツリと呟く。
どう反応すべきか悩んでいた真琴たち3人とは反対に、Aは笑顔でその俯いた頭を撫でていて。
「……んなことどうでもいいよ。それよりも、お前が無事でよかった。」
Aの言葉に一瞬見開かれた怜の瞳。
すぐに伏せられた目線と赤みを帯びる頬。
「……ありがとう…ございました///」
その様子を見ていた真琴たち3人は、怜がAに自分達が抱いているソレと同じものを抱いていることに気づき、心中穏やかではなくなっていた。
(竜ヶ崎は……夏兄が…＿＿＿＿)
そのことに無性に寂しさを覚えた遙は思わずAの腕へと抱きついていた。
5Fr！『熱くなるFeelings』 3→←5Fr！『熱くなるFeelings』 1
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 410人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
haroki(プロフ) - ちぇるさん» コメントありがとうございます！大好きと言っていただけて嬉しい限りです！飛べないのは続編ですか？それとも"秘密"のほうでしょうか？秘密はR指定付きなので設定がR指定無しだと見れないようです(>_<) (2021年12月29日 19時) (
レス) @page46 id: 37b3065325 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇる - harokiさんの小説面白くて大好きです！(*^^*)URLから小説に飛べなくて、harokiさんのページにもなくて😭どこで見られますか、、？ (2021年12月29日 10時) (レス) @page44 id: 4a0d3ce7f7 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜（女） - 見ていてこっちまでもが惚れちゃいました！！！ (2015年8月17日 22時) (レス) id: 2bf8696fce (このIDを非表示/違反報告)
haroki(プロフ) - 水魏志（読：みなぎし）さん» 嬉しいコメントありがとうございます！これからも、楽しんでいただけるよう頑張りますp(^^)qお付き合いいたたけると嬉しいです(*^^*) (2015年1月28日 0時) (レス) id: 40730f2243 (このIDを非表示/違反報告)
水魏志（読：みなぎし） - すごく面白いです!!更新、頑張ってくださいね！応援してます!! (2015年1月24日 23時) (レス) id: 5fd0686f6b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：haroki | 作成日時：2014年11月12日 11時
