出来損ないの私だから。【ハリポタ】賢者の石2 (ページ32)

今日:7 hit、昨日:20 hit、合計:29,729 hit

嘘みたいな話ページ32

『すいません。傷を見るのはお嫌いですよね』

ｽﾈ「いや………その傷、どこでついたか覚えているか」

『子供の頃に着いたんだそうで、覚えてません』

『私、実の両親は居ないんです。小さい時に家に強盗が入って亡くなった、と教えられました。ロンたちはこの傷はヴォルデモートと対峙した時についたって言ってますけど、本当はその強盗か何かの事故の時です。多分…』

私がそんな恐ろしい人と会って生きてるわけが無い

ならこう考えるのが普段だ

ｽﾈ「………あまりその名を口にするのは頂けない。英雄だから関係ないと思っているのかも知れないが周りにいる私たちにまで被害が被るのでな」

「もう1度聞くが、先程、貴様は何を唱えようとした…？あの場所で何が起こったのだ。それと貴様の情報が少なすぎる。今までどんな事をしてきた」

恐らくだが、この先生は私が答えなければ帰すつもりなどないのだろう

ならば言うしかない、何度も先生の部屋で寝泊まりなど精神が持たない

仕方がないことなのだ

『……分かりました。お話します』

ｽﾈ「ふん……初めからそうすれば良いものを」

『ですが、1つだけお願いします』

ｽﾈ「なんだね？」

『今からお話する事を、他の人に話さないで下さい』

ｽﾈ「………何故だ」

『現実味が無いからです。ただでさえ、普通とは違う目で見られているのにこれ以上は辛いですから』

出来ているかすら分からない笑顔を浮かべる

引き攣っていたって、どうでもいい

言葉上だけでもこの約束は必要なのだ

それがあるだけでも私の気は楽になる

ｽﾈ「……やむを得ん場合は」

『なるべく、ですから。その場合は先生にお任せします』

『……秘密をずっと隠しておく事なんて出来る訳有りませんから』

ｽﾈ「……あぁ、分かった」

『ありがとうございます』

ゆっくりと息を吐いて、ゆっくりと吸う

それを何度か繰り返すもあまり意味がない

ああ、自分のことを話すのはやはり緊張する

これ以上何かを失うことはこんなにも怖いのか

もう失い続けてきたと言うのに

まだ、失うものがあるとは思わなかった

今回は何を失ってしまうのだろうか

友か、

信頼か、

それとも

私自身なのか