先輩のことが嫌いです。 (ページ4)

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放課後、仕方なく二年生の教室へ向かう。

教室へ着くと急に出てきた女の人とぶつかりそうになった。

『うわっ、びっくりした...』

「あ、Aちゃん。ちゃんと来てくれたんやぁ」

『仕方なくです。早くしましょ？』

「ふふっ、こっち来て」

ちょいちょいって手招きされて教室へ入る。

頼まれ事とは、プリントの各ページを一枚ずつ取ってホッチキスで留めて一つの冊子にする、という簡単なものだった。

カバンを椅子に置いて、作業を始める。

とうとう私はパシリになったのか。

なんてことを考える。

入学してから、風のように過ぎ去った日々。

アホで、無自覚に私の邪魔をしてくる藤井先輩。

そんな先輩に振り回され始めて、気付けば2ヵ月も経っていた。

邪魔はするわ引っ付くわ、暇なのか。

そんな事を考えていると作業が終わって、先生にも褒められた。

そういえば、あの女の人はどうしたんだろう。

『先輩、彼女作らないんですか？』

どこか引っ掛かっていたその存在を、何故か聞きたくなった。

「Aちゃん居るから別にいらんかなぁ」

『別に私と関わらなければ済む話ですよね...』

「もー、ええやん！気にせんと帰ろうや」

『帰るって先輩、逆方向じゃないですか』

「女の子を一人で帰すわけないやろ？」

あほ、と軽く頭を叩いて下駄箱へ向かう先輩。

少し嬉しかった、気がした。

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