五十四 主side ページ7
崖を飛び越えたところで剣心が私を下ろす。
剣心「大丈夫でござるか?」
『うん、平気。ありがとう。』
剣心は穏やかに笑っていたが操ちゃんが追いついた瞬間、その表情は冷徹なものに変わった。
剣心「鬼ごっこは終いでござる。」
剣心の冷たい声が響く。
操「なっ…なに言ってんの!私はこれからあんた達から蒼紫様の事聞かなくちゃいけないのよ!」
操ちゃんの焦った声が聞こえた。
私はなにも出来なくて、ただ目を伏せていた。
剣心「思いを断ち切って忘れたほうがいい。……その方がお主も幸せでござる。」
一瞬の間があったのは何故?…その脳裏に浮かぶのは誰?……薫さん?
それを聞いた操ちゃんは諦めたように引き返していった…ように思えた。
操「なにが“思いを断ち切って忘れたほうがいい”よ!」
凄い気迫と共に操ちゃんが振り返る。
剣心「馬鹿!よせ!」
操「自分が想っている人を忘れることのどこが幸せなのよ!」
剣心「っ!」
純粋な乙女の正直な物言いに胸を打たれた。
操ちゃんが崖を飛び越えようと飛んだが、僅かに届かず。
操ちゃんが落ちていった…と思ったときには私は崖に飛び込んでいた。
剣心「っ!Aっ!!!」
操ちゃんを何とか捕まえ、その私を剣心が捕まえてくれた。
そのまま引き上げられる。
『剣心、ごめんね、心配させて。だから…そんな顔しないで。』
剣心は今にも泣き出しそうなくらい顔を歪めていた。
剣心「っ…すまん。」
私は剣心を自分の胸に抱き寄せた。
剣心「また…Aと…別れなくてはいけないかと…思った。」
『私は剣心のところから離れないわ。もう二度と。』
優しい口調で言うと彼は安心しきって、そのまま眠った。
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剣心 - ししおにキスされんのはゴメンだなww (2018年4月3日 18時) (レス) id: d86426f788 (このIDを非表示/違反報告)
柚姫 - 本当だ!すみません、ありがとうございます! (2016年5月28日 22時) (レス) id: 3ebe891132 (このIDを非表示/違反報告)
蘭秀(日本史love)(プロフ) - オリフラ立ったままですよ〜!このお話好きなのでこれからも期待してます♪ (2016年5月28日 19時) (レス) id: 9e25d5fa86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚姫 | 作成日時:2016年5月28日 8時