九十六 ページ49
剣心の傷も癒えた頃、Aと剣心は薫の厚意もあり神谷道場で祝言を挙げた。
決して華やかでは無いが美しさを引き出す白い衣装に身を包んだAはこの世のものとは思えないほど可憐だった。
式は、剣心が食べ物の入った器をひっくり返し全身に被り、いつもの普段着で行なった事以外は全て上手くいった。
『あっははははははははっ!!!』
Aの笑い声は一時間は続いた。
初恋に幕を閉じた薫の涙を吹き飛ばすような式だった。
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『あっはははははっ!ふふっ…っくぶっ…はははははははははっ!!』
剣心「笑いすぎだ…」
Aの笑い声は未だに収まらず、式が終わった今も続いていた。
『だって…ふっ…剣心っ…くっ…あはははははっ!!』
剣心「はぁ…」
話しても無駄だと思った剣心はAの頬を両手で包んだ。
『っえ…?』
Aの顔が一気に熱を帯びた。
剣心「俺は、約束も守れない。Aを守る事さえできなかった。それでも…俺と一緒にいてくれるか?」
『…!ええもちろん。今更何を言っているのかしら?私の決心は幕末の頃既についているのよ。“この人と一緒に生きよう”って。』
Aは剣心の目を真っ直ぐ見、優しく笑った。
『だから、安心してよ。“旦那様”?』
剣心「っ…」
『えっ…やだちょっと、泣かないでよ!私まで泣いちゃうわよ!』
そう言うAの目元は既に涙で濡れていた。
剣心「絶対に離してやらないから…」
『離される気なんて更々ないわ。』
剣心「愛しているよ、奥方殿。これからもずっと。」
重なり合う2人を月光は何時までも照らしていた。
【完】
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剣心 - ししおにキスされんのはゴメンだなww (2018年4月3日 18時) (レス) id: d86426f788 (このIDを非表示/違反報告)
柚姫 - 本当だ!すみません、ありがとうございます! (2016年5月28日 22時) (レス) id: 3ebe891132 (このIDを非表示/違反報告)
蘭秀(日本史love)(プロフ) - オリフラ立ったままですよ〜!このお話好きなのでこれからも期待してます♪ (2016年5月28日 19時) (レス) id: 9e25d5fa86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚姫 | 作成日時:2016年5月28日 8時