九十三 ページ46
師匠「お前、まさかあの娘を死なせたとか言うなよ。」
剣心「っ…」
握っていた拳を更に握る。爪が己の掌を傷付け、血が垂れる。
師匠「こっの…馬鹿弟子!!何言ってやがる!あれだけ己を想ってくれた女を易々と殺したのか!?」
剣心「俺は…Aから目を離してしまった…俺の隣に…置けなかった…」
師匠「お前、もう出て行け。もうお前の面倒なんか見れん。」
比古の肩は震えていた。
剣心はそれを見ると足取りも怪しく、山を降りた。
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『ん…』
Aがゆっくり目を開けると白い天井があった
左之助「A!起きたか!?」
『…さの…すけ?』
左之助「無理に起きるな、今医者を呼ぶからな!」
左之助の大きな足音が遠ざかっていく。
それを聞いてAはゆっくり起き上がる。
窓の外はのどかな風景が広がっていた。
左之助「A!」
『…さのすけ…』
声がかすれる。
左之助「無理もねぇ。三日も眠りっぱなしだったんだからな。大丈夫か?」
『三日…っ!!剣心!剣心は!?』
思い出した。剣心と共にあの荒波の中に落ちた事を。
左之助「剣心だって?そういや、見てないな…」
『そっ…んな…』
居てもたってもいられなくて外へ飛び出す。
左之助「待てって!まだ病み上がりなんだぞ!?」
遠くで左之助の声が聞こえたが構っていられない。
無我夢中で走る。行き先は分からないが、走らずにはいられない。
しかし、やはり病み上がりで、意識が朦朧としてくる。
もう倒れるというところで誰かにぶつかり、受け止められた。
剣心「A…か?」
剣心は信じられないというふうに目を見開いている。
『!!!剣心っ!!』
剣心は、そこにいた。生きていたのだ。
張り詰めた糸が切れたようにAは思いっきり泣きだした。
剣心はAをひたすら抱きしめていた。
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剣心 - ししおにキスされんのはゴメンだなww (2018年4月3日 18時) (レス) id: d86426f788 (このIDを非表示/違反報告)
柚姫 - 本当だ!すみません、ありがとうございます! (2016年5月28日 22時) (レス) id: 3ebe891132 (このIDを非表示/違反報告)
蘭秀(日本史love)(プロフ) - オリフラ立ったままですよ〜!このお話好きなのでこれからも期待してます♪ (2016年5月28日 19時) (レス) id: 9e25d5fa86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚姫 | 作成日時:2016年5月28日 8時