九十 ページ43
『んっ…』
操「Aさん、起きた?」
先ほどまで井戸にいたはずが、気がつくと布団に寝ていた。
『今は何時?』
Aの声が掠れる。
操「八時よ。みんなは少し休んでる。」
『そう…』
操「いい?Aさん。貴女は狙われるかもしれない。だからうちで待っていて。」
『でも…』
操「Aさんがやられてしまったら私たちの面子が立たないわ。安心して、必ず守るから。」
『うん…』
操「よし。じゃあ私は見回りに行ってくるわ。ここにいてね。」
『わかったわ。』
操が念押しして部屋を出て行った。
Aは毒やら毒で発生した熱やらでかなり怠くなった体をなんとか起こしたが、自由に身動きできないため、本当にみんなに守ってもらうしかない。
あの名高い銀華がここまで落ちぶれたのは、情けないというか、女体だからか…おもわず自嘲が溢れる。
トントン…
襖を叩く音がして襖が開く。
そこには…
宗次郎「こんばんは、Aさん。」
『っ!?…お、前…』
宗次郎「あ、ごめんなさい。そんなに毒が効くとは思わなかったんです。でも、貴女に危害を加えに来たわけじゃないです。志々雄さんが待っています。一緒に行きましょう。っていうか連れて行きますね。」
宗次郎がそう言うとAをひょいっと持ち上げた。
宗次郎「こんなに軽かったでしたっけ?やつれましたね。やっぱり志々雄さんのところの方がいいですよ。」
『いっ…いから…離しっ…て…』
宗次郎「あはは!面白いことを言いますね。でも、黙ってて下さいね。体に毒です。」
そう言うが早いか宗次郎がAに口付けをした。
長く深く、息ができない。
ついにAは気を失ってしまった。
宗次郎「貴女は抜刀斎さんにはもったいないですよ…」
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剣心 - ししおにキスされんのはゴメンだなww (2018年4月3日 18時) (レス) id: d86426f788 (このIDを非表示/違反報告)
柚姫 - 本当だ!すみません、ありがとうございます! (2016年5月28日 22時) (レス) id: 3ebe891132 (このIDを非表示/違反報告)
蘭秀(日本史love)(プロフ) - オリフラ立ったままですよ〜!このお話好きなのでこれからも期待してます♪ (2016年5月28日 19時) (レス) id: 9e25d5fa86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚姫 | 作成日時:2016年5月28日 8時