【るろうに剣心】ある優しい人斬りのお話。 (ページ7)

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六主side ※注意ページ7

が、難なく交わされた。
やはり先程くらった傷が痛む。

…何で私はこんなにムキになっている？
剣心が罵倒されるのが嫌なのか？

…なんで？どうして？ワカラナイ。

斎藤「考え事か。良い度胸だな。ならば…」

突然視界が暗くなる。

感じるのは唇の感触。

…目に映るのは斎藤の顔。

これは。

『…っ！？……げほっ…貴様っ、何をっ』

斎藤「ほう、どうやら初めてらしいな。」

気持ち悪い感触が離れる。

まだ気持ち悪い。必死に袖で拭う。

斎藤「抜刀斎とは何もなかったのか。」

『黙れ、斎藤。お前、私と戦うんじゃなかったのか？』

斎藤「お前じゃあつまらん、と言ったはずだ。それに今気が立っているんだ。“そっち”だったら満足させてくれるだろう？」

『っ…！！』

咄嗟に逃げようとしたが…遅かった。

Aは両腕を掴まれ身動きできなくなった。

それに右腕が痛む。そうとう傷が深かったようだ。

『やめろ、斎藤。冗談だろ。今なら許してやる』

斎藤「生憎だが俺は本気だ。」

血の気が引いていく。

本当にまずい。これは。

斎藤「そんなに警戒するなよ。俺だって愛がないわけじゃない。…俺はお前を好いている。」

『はっ』

斎藤「我慢していろ。」

そういって斎藤は取り掛かる。

『はっ…！？やめろ！斎藤！！本当にっ…やだ…』

やめてくれない。非常にまずい。

『本当にやめて！助けて…っ剣心！！』

斎藤「っ！？」

私の視界に鮮やかな緋色が広がる。

剣心「斎藤っーーーー！！！！」

あゝ、剣心来てくれたんだ。

心の底からホッとして、Aはその場に崩れ落ちた。