【るろうに剣心】ある優しい人斬りのお話。 (ページ6)

今日:26 hit、昨日:19 hit、合計:205,313 hit

五主side ページ6

Aが其処に行ったときは既に血溜まりが出来ていた。

『…間に合わなかったか。すまん…』

人を斬るのはとても億劫だった。
人が斬られるのも辛かった。

だが、私達が苦しい思いをしてこれからの世の中が平和に変わっていってくれれば。

Aはそれで良かった。自分の幸せなどどうでもよかった。

…ひとまず供養をしてあげなければ。

そう思いAはしゃがみこんだ。

その時。

？「これはこれは。人斬り銀華さん。」

『っ！？…まだ残ってたのか。壬生狼。』

突然降りかかってきた刀を何とか受け止める。

その声の主は…

『もう今日はお終いだ、斎藤。さっさと散れ。』

斎藤「ふん、阿呆が。敵を見つけて逃げることなどできるか。」

斎藤一。剣心の因縁の相手だ。

『じゃあなんだ、私を殺すのか。』

斎藤「殺すなどもったいない。今日は遊んでやるだけだ。」

『くっ…やめろ。』

突然の斎藤の攻撃をかわしきれずにAは右腕と右太腿に傷を受けた。血が吹き出る。
途端に機敏だったAの動きが鈍くなる。

斎藤「お前じゃあつまらん。抜刀斎はどこだ。」

『はっ。誰か教えるものか。』

斎藤「なんだ、お前。あんな男が好みなのか？」

『？なに言ってる。』

斎藤「お前、惚れてるだろ。抜刀斎に。」

『っ！？本当になに言ってる！そんなこと…』

おかしい。どうしたんだ、私。
何を動揺してる。
昼間はあんなに気持ち悪がっていたじゃないか。

斎藤「ほう、抜刀斎も嫌な男だな。好いた女を怯えさせるとは。」

『うるさい黙れ！！』

Aはムキになり、斎藤に刀を振った。