【るろうに剣心】ある優しい人斬りのお話。 (ページ44)

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四十二主side ページ44

薄っすら目を開ければ天井があった。

…頭がぼーっとする。

此処は何処？確か私達、東海道を歩いてて…

…剣心は？

目だけで辺りを見回してみる。

剣心「A起きたでござるか。具合はどうだ？悪くないでござるか？」

そっか、私倒れたのよね。

静かに首を縦に降る

剣心「そうか、良かったでござる。」

柔らかく笑う彼。

『…ごめん、足止めして。』

声が掠れてる。だいぶ眠ってたらしい。

剣心「なに、これ位大丈夫でござるよ。」

『ここは？』

剣心「東海道沿いの宿だ。なかなか良いところでござるよ。」

剣心は満足そうに辺りを見渡す

『…水が欲しい』

剣心「承知したでござる」

そう頼むと剣心は部屋を出て行った。

一気に静けさが襲ってくる。

まだ初夏にも関わらず、蝉が鳴いている。

日が高いところを見ると、まだ午前か、昼過ぎだろう。

剣心「A、水持ってきたでござるよ。」

『ありがとう。』

上半身を起こそうとするが、寝起きのせいか力が入らなくて起きられない。

『ん？あれ…』

剣心「おろ、もう体が鈍ったでござるか。」

剣心が笑う。

笑い事じゃない。どうしよう。

剣心「わかった、無理に起きなくていいでござる。」

『でも、水…』

水飲みたいんですが。

そう思っていたら剣心が水を飲んだ。いや、含んだ。

そして、私に覆い被さると、

静かに口付けをした。

それと同時に冷たい水が口に流れ込んでくる。

剣心「……飲めたでござろう？」

悪戯っ子の笑みで私を見る。

『………っ～～～～～！！』

今更恥ずかしい。恐らく顔が真っ赤だ。