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三十六 主side ページ38

夕焼けの紅に町が染まる頃、私は河原で剣心と話していた。

剣心「先程は大丈夫だったでござるか?」

『ええ、ありがとう』

剣心「良かったでござる。」

そう言うと剣心は私に優しく笑いかけ、川の流れに目を向けた。

剣心の白い頬に彼の長い睫毛の影が落ちる。

やはり女顔なだけあって、黙っていれば美人な女に見える。

…そんなこと直接言ったら殺される。

剣心「A、今失礼なこと考えたでござろ?」

『い、いや?』

剣心「ふーん?」

怖っ…

剣心「少し、話してもいいだろうか?」

『うん、いいよ』

剣心が突然切り出す。

剣心「Aは、拙者…いや、俺でいいのか?」

『…っえ?』

恋仲の件だろう。顔が夕焼けに負けじと紅くなる。

剣心「Aは、凄く美形で、気立ても良い。清楚で優しいし、明るい。」

ますます紅くなる。どうしたんだ、この親父は。

剣心「そんな人間が俺みたいな、汚らしい奴の側に居てくれるのが不思議でならない。もっといい人がいるんじゃないのか?」

『私は…』

剣心の大きな手を優しく取り、両手で包む。

彼はビクッと肩を揺らした。

『剣心以外好くことはできないよ。剣心じゃないとダメなの。』

剣心は手を引っ込めようとする。

それを止め、彼の目を見て笑いかける。

剣心「A…手を…」

『汚らしいなんて誰が言えるのかしら。こんなに綺麗で、逞しくて、優しい手を。…私を守ってくれる、この手を。』

剣心「A…ごめん、変な事を言ってしまった。」

『いいよ、何度だって聞いてあげる。私の大好きな人。』

もう少し…このまま。

いつの間に空は暗く、蛍や星が光り輝いていた。

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設定タグ:るろうに剣心 , 緋村剣心   
作品ジャンル:アニメ
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柚姫 - ありがとうございます!凄く嬉しいです(*^^*) (2016年5月5日 16時) (レス) id: 3ebe891132 (このIDを非表示/違反報告)
蘭秀(日本史love)(プロフ) - すごく面白いです!これからも頑張ってください! (2016年5月5日 15時) (レス) id: 9586ad42cc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柚姫 | 作成日時:2016年5月3日 1時

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