【るろうに剣心】ある優しい人斬りのお話。 (ページ36)

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三十四剣心side ページ36

Aは何だか凄く安心する。

彼女の匂いだろうか、心がとても休まる

非情の人斬りだった俺が此処まで平和な民として暮らせているのもAがそばに居てくれたからに違いない。

そんな大切な存在を志々雄なんぞにくれてやるものか。

先程の人混みの中のAと青年の話を思い出し、急に嫉妬心が強くなってAの体に抱きついた。

離したくない。絶対に。

『なっ…！？おい、剣心？』

顔が茹で蛸のように真っ赤だ。
男の様な口振りさえ愛おしい。

また一つ、君を好きになった。

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恐らく相当な時間が経った。

それでもAは、動かないで俺のためにジッとしていてくれた。

感無量で更に力を入れる。

ばちんっ

平手打ちがいひゃいでござる…

『早く行くよ』

もう少し…と抵抗したらさらに叩かれた。

仕方ないまた今度にしよう。(

そんなくだらないことを話していると、急に声が掛かった。

斎藤「抜刀斎に……Aまで。なにやってんだ阿呆共。」

剣心「なっ！？斎藤！？」

ちらりとAを見ると顔が真っ青だった。

まずい、はやく此奴から離れなくては。

斎藤「生憎、俺はお前らが遅いから連れて来いと頼まれただけだ。さっさと行くぞ阿呆。」

『っ…』

怯えている…さっきまであんなに楽しそうだったのに…

すると、Aが顔をこちらに寄せて言う

『…私、貴方が傍に居てくれるから頑張れるの。…剣心、私を守って？』

剣心「っ！ああ。」

斎藤「まるで俺が悪者みたいだな。」

剣心「当たり前でござる。」

斎藤「フン、早く行くぞ。」