二十九 剣心side ページ31
部屋に戻るとAは障子を開けて空を見上げていた。月光が加わり、彼女の白さが際立つ。
『剣心、ほら見なよ。月が綺麗だ。』
そう言った彼女は何処か儚げだった。
剣心「先程話があると言っただろ?何だ?」
Aはニコリと笑い、こちらへ近づいてくる。
目の前に来ると
俺を殴った。
剣心「っ…結構本気でやったろ。」
『当たり前でしょ。あんたはどうして約束を守れないの?』
ハッとした。
『皆を守ることすら出来ないの?なら貴方は不殺などほざいてられないのよ。私が居なかったら皆は人質にされていたこと、分かってる?』
剣心「ああ…痛いほどに。」
そう答えるとAは抱きついてきた。
それを優しく包む。
『私…本当に死ぬかと思ったの。剣心が居ないのに斎藤が来たんだもの。』
声が震えている。
『剣心、貴方はここにいて。』
剣心「っ!?何故!」
『今の貴方は…何も守れない。』
そうだ。俺は何も守れていない。皆も、Aも…巴も。
『薫さんと弥彦と左之助と仲良く暮らしててよ。そっちの方が貴方によく似合うもの。』
剣心「っ…Aが…戦うのに…俺は何も出来ないのか…」
『まだ分からないの?』
Aは俺を突き飛ばす。
『貴方はもう剣心。抜刀斎なんかじゃないのよ。もう血溜まりを歩かないで。』
剣心「それでAはどうするんだよ。」
『煩いな。関係ないわよ。』
剣心「っ!!」
俺は思わず
Aを殴った。
ラッキーキャラクター
緋村剣心
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柚姫 - ありがとうございます!凄く嬉しいです(*^^*) (2016年5月5日 16時) (レス) id: 3ebe891132 (このIDを非表示/違反報告)
蘭秀(日本史love)(プロフ) - すごく面白いです!これからも頑張ってください! (2016年5月5日 15時) (レス) id: 9586ad42cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚姫 | 作成日時:2016年5月3日 1時