【るろうに剣心】ある優しい人斬りのお話。 (ページ21)

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十九剣心side ページ21

剣心「あの頃の夢を見ただと？」

『うん。斎藤との一件だった。吐き気がした。気持ち悪かった』

剣心「言い過ぎだ。…でもどうしてだろう。」

これから何かあるのか？
嫌な予感がする。

『私、もうすぐ斎藤と会いそうな気がする。』

剣心「…A、大丈夫なのか？」

『え？ダメに決まってるでしょ。』

剣心「…え。」

『剣心が守ってくれるんでしょう？違う？』

剣心「！…そうだったな。安心しろ、Aを守ってみせる。」

『よろしくね。』

そう言って彼女は無邪気に笑ったが…手が震えていた。
そうとう怖いのだろう。
俺はそっとAの手を握って彼女に口付けした。

『…どうしたの？』

剣心「必ず…守るから。」

『っ！…ありがと。
さあ、剣心。薫さんが呼んでるぞ。』

！気付かなかった。

剣心「すまん、ちょっと行ってくる。」

『いってらっしゃい』

ガラッ

剣心「薫殿、何事でござろう？」

薫「あ！いた、剣心。これから出稽古なの。また一緒にこない？」

どうせこの間みたいになるんだろうな。仕方ない、行くか。

剣心「わかったでござる。Aも一緒ではいけないでござるか？」

薫「Aさん…ええ、いいと思うわ。」

Aの話をすると薫殿はいつも顔が曇ってしまう。
何故だろう？

剣心「では薫殿、Aを呼んでくるでござるよ。」

薫「うん。」