【るろうに剣心】ある優しい人斬りのお話。 (ページ16)

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十四剣心side ページ16

とりあえず一行は神谷道場へ移動した。

『改めまして、氷崎Aと申します。剣心とは古い仲で同い年です。よろしくね』

そう言って彼女はふわりと柔らかく笑った。

三人は顔を真っ赤にして口々に「よろしく」といった。

薫「ん？待って？剣心と同い年？」

『？うん。』

「「「幕末の志士ってみんな若作りなの/か！？」」」

『はぁ…？』

剣心「これ、三人とも。Aが困っているでござるよ。」

ん？Aの視線を感じる。

拙者は何か変なこと言ったのか？

『ござる？なに、流行ってんの？』

剣心「ああ、明治になってからは口調を変えたのでござるよ。」

『剣心…あなた、老けたね。』

剣心「おろっ！？」

『へえー…そっかあ。やっぱり昔のままという訳にはいかないのね。人も建物も。でも、いいと思うよ、剣心似合ってる。』

剣心「A、嬉しくない。」

『“ござる”は？』

剣心「…でござる。」

『ふっ…あははははっ！面白い！』

薫「ところでAさん、宿はあるの？」

『はっ…それが…今日着いたばかりだから宿取ってないんだよ…。』

弥彦「じゃっ、じゃあ！剣心みたいに、しばらく此処にいればいいじゃんか！なあ薫！」

薫「そうね、Aが迷惑じゃなかったら。」

『いいんですか！？薫さん大好き！！』

薫「ただ、お部屋が無いのよ…。弥彦が別のところで寝る…とか？」

『ああ、大丈夫だよ。私剣心と一緒でいいよ。』

薫「え…？」

薫殿の顔が少し強張った。

剣心「薫殿、色々と積もる話もあるのでござるよ。」

薫「わっ、わかったわ。」

『ありがとう！薫さん本当に好き！！』