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髪が少し渇き切っていないが、気にしていられない。
かなり頑張って準備を済ませ、更衣室から飛び出した。
あの廊下を走って特別ルームのドアを勢いよく開けて中に入る。
すると、若干負傷している二人の姿が目に入ってきた。
『なッ』
「え〜、もうちょっと遅くてもよかったのにぃ〜！」
『できるかぁ！！ あの雰囲気だったら嫌でも急ぐわ！！』
「……それもそうよね〜。でも、ちょっと残念だわ。希少だからこれからだったのに……」
これを聞いて確信に近いものに変わった。
ネイさんがイルミを見た瞬間腕に力を入れたのは、単にタイプだったからだ。
私を挟んで抑えていたのだ。好みの男性を目の前にして、すぐに味見をしてみたいという衝動を。
おそらく、私が汗を流しに特別ルームを出た瞬間から戦闘が開始されたのだろう。
ただ、積極的に戦闘をするタイプではない彼が、なぜネイさんの誘いに乗ったのかよく分からない。
「……はー。帰るよ」
『お、おうッ？！』
急に手を掴まれ、出口に向かって引っ張られていく。
私は慌ててネイさんに挨拶をして、ジムを後にした。
特別ルームを出る瞬間、ネイさんが何かを言っていたが聞き取れなかった。
彼は手を掴んだまま、こちらの歩幅を気にせずにどんどん進んでいく。
手を握り返すのも離してもらうように言うのも何だか違うな、と考えていると、テンチョウさんの店に近付いてきた。
アイスクリームを受け取りに行かなけばならないことを伝えたが、返事は素っ気ない。
妙な気まずさを覚えながらも店に着いてしまったため、ドアを開ける。
「あれ？ 言ってた時間より早かった……ね？」
『ごめん。連絡する余裕がなかった』
「いや、それは全然構わないんだけど……そちらの方は？」
『えっと……仕事仲間の……』
「……え？？」
どういうことだ、という視線を向けられるが無理もない。
テンチョウさんにはただの仕事仲間と説明したのだ。
しかし、私の手はイルミに掴まれたままだ。
この距離感は第三者が見れば明らかにおかしいだろう。
『……近々、また来ますので……』
「……分かったわ。ちゃんと来てね」
『はい……デクロさん、またね』
「ニャー」
なぜこの状態になっているのかを今度説明すると遠回しに伝え、アイスを回収しホテルの部屋に戻った。
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梨色 - ありがとうございます！時間が取れた時に少しずつ書き進めていこうと思っています。 (2022年11月23日 19時) (
レス) id: bfcd433b02 (このIDを非表示/違反報告)
和 - 更新頑張ってください！ (2022年11月23日 16時) (レス) @page3 id: 06de6e20e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梨色 | 作成日時：2022年11月16日 23時
