〃 ページ12
イルミの姿を視界に捉えた瞬間、腰に回されたネイさんの腕に力が入った。
雰囲気もしくはオーラから何かを感じ取ったのか、注意深く観察しているように見える。
私は彼が仕事仲間であり、迎えに来てくれたことを説明した。
しかし、ネイさんはニコニコしたまま力を緩めようとしない。
「……いつまでくっついてるの？ さっさと帰るよ、A」
『ちょっ、待って！』
体を引き剝がすように腕を掴まれ、軽く引っ張られた。
しかし、ネイさんが回した腕を解いてくれないため、その場からは一歩も動くことができない。
「あら、急かす男は嫌われるわよぉ」
「……」
何も言わないまま、ネイさんの方を睨みつける。
そして、ここまで近付いたことで気付いたのか、イルミが口を開いた。
「お前……男？」
「失礼ねぇ。女よ」
二人の少し低くなった声が頭上から聞こえてくる。
なぜか焦りを覚え始めた私は、すぐに帰る準備をして二人を引き離した方がいいと判断した。
『あ、あの……荷物取りに行くから、離して……』
「あっ、ごめんなさいねぇAちゃん。シャワールームで汗を流して、ゆ〜っくり帰る準備してきたらいいわぁ〜」
『い、いやそれは』
「……そうだね。A、急がなくていいから」
『……』
駄目だ無理だ怖すぎる。
しかし、二人から念を押されたため、汗はサッと流すことにした。
ここに戻るタイムリミットとしては、十五分だ。
それ以上はいけない気がする。
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梨色 - ありがとうございます！時間が取れた時に少しずつ書き進めていこうと思っています。 (2022年11月23日 19時) (
レス) id: bfcd433b02 (このIDを非表示/違反報告)
和 - 更新頑張ってください！ (2022年11月23日 16時) (レス) @page3 id: 06de6e20e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梨色 | 作成日時：2022年11月16日 23時
