◆花冠の話 ページ10
シロツメクサ(らしき花)を茎を長く残したまま摘んで、それを別のシロツメクサと一緒に編んでいく。円型になったそれの後始末をして、花の位置を軽く調整して完成。
俺の身体に穴が開くんじゃないかと思うほど作る過程を凝視していた千代に投げるようにそれを渡す。
「ほらよ」
「ありがとう、奥菜さん！」
抱きとめるように受け取ると千代は、それを頭に乗せにこにこと笑う。
作っていたのは所謂花冠と言うものだ。もちろん俺にそんなファンシーな趣味はない。ひとりでうんうん唸りながら花冠を作ろうとしていた千代を見かねて代わりに作ってやったところだった。
近くにある大きく平らな岩の上にでごろりと寝転ぶ。このいかにも子どものための世界にうんざりはしていたが、昼寝するには丁度いいこの気候だけは好きになれそうだった。
ちらりと千代の様子を覗う。千代は渡した花冠は頭に乗せたまま今度は自分で作ろうとしているのか、シロツメクサを摘んでいた。
「……また作るのか」
「ええ、自分で作ってみたいもの」
「手が青臭くなるだけだろ」
「その『青臭くなる』のが夢なのよ」
俺はシロツメクサの汁によって汚れてしまった自分の手のひらを見つめる。わざわざ汚すなんて馬鹿馬鹿しいと思いつつも、それは声に出さないでおいた。
「よく絵本に出て来るくまさんやうさぎさんは、決まって花冠を被っていたわ。小さい頃はそれがどうしても欲しくてお母さんにねだったものだわ」
「……貰えたのか？」
「ええ、貰えたわ。造花でできた固い花冠をね」
ようやく半分まで編み終えた花冠。千代は一瞬思い悩むように作る手を止めたが、新しいシロツメクサを手に取ると再び編み始めた。
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ツナマヨガチ勢(プロフ) - 玻璃さん» 見るのが遅れてしまってすみません！ ジルコニアを描いてくださりありがとうございます！ 光の速さで保存させていただきました……(昇天) (2019年9月7日 21時) (
レス) id: c3217907b1 (このIDを非表示/違反報告)
メロンパンのメロンパン(プロフ) - 玻璃さん» ありがとうございます〜！ (2019年9月1日 21時) (レス) id: 41ddeedce9 (このIDを非表示/違反報告)
玻璃(プロフ) - メロンパンのメロンパンさん» ありがとうございます！更新がんばります＾＾是非描かせてください！時間ができたら描かせていただきます！ (2019年9月1日 21時) (レス) id: 85136437a2 (このIDを非表示/違反報告)
メロンパンのメロンパン(プロフ) - ものすごく素敵です！更新頑張ってください！それからもしよろしければ、うちの子の誰かをかいていただけないでしょうか？ (2019年9月1日 20時) (レス) id: 41ddeedce9 (このIDを非表示/違反報告)
リンゴ - 玻璃さん» 可愛く書いてくださりありがとうございます！m(_ _)mぜひ、使ってください！ (2019年9月1日 16時) (レス) id: 3588ccbe80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玻璃 | 作者ホームページ：https://plus.fm-p.jp/u/hari93
作成日時：2019年8月23日 1時
