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この人を責める気はないし冬美さんが悪いとも思ってない。悪いのは居眠り運転をしてた運転手だ
ただこの人はいつもお母さんの動かない脚を見ると哀しそうな顔をするのだ。見るのが辛いなら来なければいいのに。優しい人だとわ知っている。
冬美さん家もあまりよろしくない家庭だというのに家の面倒まで見てくれるのだから頭が上がらない
だが、自分が辛いのに何故他を優先できるのか理解はできない。
晩御飯も食べ終わりふかふかのソファーに脱力しながらテレビのチャンネルを変える。
今日は珍しく兄貴は帰って来なかった。いつ帰ってくるかも分からない野郎だから別に気にしてないけど。
あ、漫才やってる。
「あーその芸人さん今人気だよね！Aちゃん漫才好きなの？」
『うんん、興味ない。』
「そっかー。私は面白いから好きだよ。それに笑顔になれるし！」
『そうかな…。』
お母さんと話終わったのか右隣に座ってニコニコ笑う冬美さん。流石現役教師、積極的だ。
「Aちゃんさ。何か悩んでる？」
『！』
テレビを見たまま冬美さんから出た言葉に思わずビクリと肩が跳ねる。何故分かったのだろう。
「頼りになるか分からないけど、私で良ければ聞かせて欲しい。」
『…人を、…怒らせたみたいで、…なんで相手が怒ったのか解らなくて。』
「んー喧嘩の原因はなんだったの？」
『喧嘩…、私が彼の欲しがっていた高校の推薦を貰ったからかな…。』
欲しくもなかった雄英高校の推薦
望んでもいなかった。
誰だっていらない物を押し付けられたら困るし、重ねて赤の他人に目の敵のように扱われれば気分も悪い。
だから私は譲れるものならば今すぐに誰かに押し付けたい。望む人が手に入れた方が両者共にハッピーだ何も悪いことはない。
｢そっか。うんじゃあ、例えばAちゃんが世界で1番手に入れたいものがあるとするじゃない。それでAちゃんはそれを手に入れる為に必死に頑張るの。でもその欲しい物は偶々通りかかった人が偶々手に入れちゃうの。もしこんな事があったらAちゃんならなんて思う？｣
冬美さんの例え話を聞いて1番に思い浮かんだのが“あの時"の景色だった。
嗚呼そうか。
なんでこんな簡単な事も解らなかったんだろ
そうか…なら彼は"頑張ってた“のか
それは悪い事をした。
『…ありがとう冬美さん』
「ううんAちゃんの力になれたんなら良かったよ」
冬美さんが酷く眩しく見えた。
それが冬美さんを苦手なもう1つの理由かもしれない。
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人間失格な人間？２←(プロフ) - 囚人さん» コメントありがとうございます！はい。予定としては爆豪君にしようかな、と考えています。更新頑張ります！ (2018年12月29日 21時) (
レス) id: 728099f7d0 (このIDを非表示/違反報告)
囚人 - 面白いです！更新ファイト！です。落ちは決まってますか？ (2018年12月29日 21時) (レス) id: 235e75e60a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：人間失格な人間？ | 作成日時：2018年6月15日 23時
