Live positively (ページ34)

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俺とあいつ緑ページ34

緑side

俺と信ちゃんの前で、廣瀬が倒れたん見た時は、頭ん中真っ白になって咄嗟に体が動かへんかった。

信ちゃんが駆け寄って抱きかかえとった廣瀬の体はめっちゃ小さく見えて、
どうしたやろって心配で、
レコーディングに身が入らんかった。

橙「大倉、どうしたん？」

「ん、あ～…なんもないよ。」

橙「なんもない顔ちゃうやん。」

「いや、大丈夫かなぁって思うて。」

橙「…あ～

…廣瀬か。」

「あないになるまで頑張るって、
どんだけやねんなぁ。」

橙「…大倉、さぁ。

最近めっちゃ廣瀬んこと気にしとるな。」

「え？そお？

自分じゃよおわからへん。」

橙「……好き、なん？」

「は？」

橙「いや、だから、

廣瀬んことさぁ、好きなん？」

「………まぁ、
嫌いやないなぁ…

好きか嫌いかで言うたら好きなんちゃう？

今日のことやって心配やし…

まぁ信ちゃんが付いとるから大丈夫やろうけど。」

橙「大倉の好きはメンバーとして好きってことなん？」

「は？

マル、言うてる意味がわからんのやけど。」

橙「ええよ、ええよ。

気付かんでええよ。

その分僕が先に進める可能性はあるわけやし。」

「なぁ、マル何言うとんの？」

橙「じゃあ、僕レコーディング入るから。
ほなね～」

意味わからんこと言うてさっさと行ってしまったマル。

(ほっとこ…)

ーーーーーー

廣瀬は一日あけて仕事に来た。

黄「もう平気なん？」

「おかげさまで。

すみません、色々とご迷惑をおかけしてしまって。」

入ってくるなりメンバーひとりひとりに頭下げとる。

紫「おい、お前、平気なんか？」

「あ、はい。」

信ちゃんは異常に心配して廣瀬に声掛けとって、なんか、めっちゃイライラした。

やけど、

「大倉さん。」

「なに？」

「おはようございます。」

「おん。」

「ご迷惑をおかけしました。」

「おん。」

「お休みになられます？」

「…おん。」

俺の返事にブランケットを持ってくる廣瀬。
目を閉じ始めた俺にそっとかけるその手を掴んだ。

「？」

「今日は肩貸してえや。」

「…はい。」

目を閉じていても嬉しそうに頷く廣瀬が浮かんだ。

隣に座った廣瀬の細くて華奢な肩。

わずかに香る優しいにおい。

俺の中にあるこの感情の名前は何やろ？