タマ争奪戦2 赤さん ページ28
赤side
(あかん、飲み過ぎた。)
ベットの中、ぼんやりする頭でそう感じた。
昨日は確か…と、昨夜のことを思い出そうとしても、
なかなか思い出せん。
タマと飯食いに行って、飲んで、店出て、俺んち来んか？って誘って、
そんで…
そんで？
思い出そうとだるい体で寝返りを打つと、
(………は！？)
タマが寝とる。
頭を抱え脳の機能をもう一度フル回転させた。
せやけど、…家に来てからの記憶がない。
慌てて布団の中をのぞくと、
(パンイチやん…
…あかんやつやん。
タマは…
ぅぁっあかん！！完全にあかん！！
下着だけやん！！！！
わぁー！！どないしよー！！
全然覚えとらん！！
やってもうた、わ。)
居ても立っても居られず、布団からそっと抜け出すと、
冷蔵庫からミネラルウォーターを出して一気に飲んだ。
「ふぅ…」
「あの、
「うひゃぁっっっ！？」
「あ、すみません。
驚かせてしまって。」
タマが、布団から体を起こしこっちを見とった。
「起こしたか？すまん。
…いや、そうやなくて！！
昨日、俺ら…」
「覚えて…ないんですか？」
背中を冷や汗が流れる。
「渋谷くんちにお邪魔させてもらったんですが、
着いてすぐ気分を悪くされたようで…
トイレまで一緒に行ったんですけど、
その、
間に合わなかった、ようでして…。」
(違う意味であかんやん。)
サァーっと血の気が引くのを感じた。
「とりあえず片付けなくてはと思って、
汚れた所を片付けて、
汚れた服を脱がさせてもらってベットに運んだんですけど、その途中で第2波がきたみたいで、
私も汚れてしまって…
すみません、こんな格好で。」
(入りたい…穴があったら入りたいわ…)
窓付近を見ると、タマがやってくれたであろう2人分の洗濯物が干してあった。
「今、服出すから。」
と、クローゼットの中にある服を適当に出してタマに渡した。
「すみません。」
「それはこっちのセリフや。
ほんま迷惑かけてすまんかった。」
「いえ、こちらこそ。
布団が見当たらなくて、大きいベットだったので、端を借りてしまってすみません。」
「そんなことは気にせんでええねん。」
(あ〜もう、嫁にいけん。
こんな醜態晒して、最悪や。
絶対タマにもらってもらわな。)
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作者名：芹生 | 作成日時：2017年3月27日 20時
