エイトとタマ2 (ページ12)

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・主人公ページ12

Aside

楽屋の外まで聞こえるにぎやかな声。

楽屋の中の様子を思い浮かべるだけで自然と笑みがこぼれた。

もうすぐ桜の季節。

今年はみんなでお花見でもしたいな…

…なんて。

目立つ彼らだから、名所はきっと無理だろう。

そこで、はたと思い付いた。

(あ。

合宿所の庭なら、
人目気にせずゆっくりお花見が出来るかも。)

ご馳走作って、

桜の木の下にレジャーシート広げて、

綺麗ですねって話をしながら、

みんなで桜を見上げて、

…想像しただけで心が温かくなった。

両親を事故で亡くした直後、
桜を見るのが、嫌だった。

家族で過ごした日々が、
頭の中に次から次へと思い出されて、
胸が張り裂けそうになるから。

でも、年を追うごとに、

やっぱり桜はすきだ、と思える自分がいて、

…嬉しかった。

両親がすきな桜を自分もすきでいれたことが。

(なんて切り出そう…)

思えば、自分から彼らにそういった誘いを持ちかけることは無かった気がする。

色々と思案しながら楽屋のドアを開けた。

「おっ、タマ。おかえり～。」

(………そっか。

自分の気持ちをそのまま伝えれば良いんだ。

彼らはいつでも待っていてくれる。)

「ただいま、です。

あの…
みなさんがもし良ければ…