捜索 赤 ページ37
アンコールが終わってステージ裏にはけた瞬間、俺は走り出した。
もうええ、
やろ？
ー捜索ー
「ぅおい‼すばる、どこ行くねん‼」
…どこって、そんなん決まってる。
会いたい。
はよ、会いたいねん。
はよ、抱きしめたい。
はよ、
はよ、
「はぁはぁ、
………あいつ、どこにおんねん…」
スタッフが忙しなく動いとる廊下の壁にもたれかかった。
ただでさえライブ終わりでほとんど体力残ってへんのに、
…年甲斐もなく走り回り過ぎたわ。
「あ‼しぶやん、おった‼」
ヤスと大倉が向こうから走ってくる。
「先に行かんでよ‼
一緒に探そう思うてたんに‼」
「ふはっ、すまんすまん。」
フライング、してもうたわ。
「…どこにおるんやろ。
結構スタッフとすれ違ってんけど、
生駒はおらんかった気ぃする。」
「誰かに聞いた方がええんちゃう？」
「それヤバいやろ。
『生駒に似た人おらん？』なんて聞いたら逆に騒ぎにならん？」
ヤスと大倉のやり取りを黙って聞いとったけど、大倉の言う通りや。
…なるべく騒ぎにならん方がええ。
「ねぇ、聞いた？
あっちすごい騒ぎになってるらしいよ。」
「えー？なんでー？」
「警備員の人振り切って入ってこようとしたらしいのー。」
「はぁ⁉
なにそれ？
怖ぁ〜。」
大荷物抱えて歩きながら話をする女達が俺らの横を通り過ぎて行く。
そいつらの言葉に胸騒ぎしたんは、
…俺だけやなかったようや。
「騒ぎってなに〜？」
ヤスが先頭きって聞く。
「ぇ？あ‼お疲れ様です‼
なんでこんなとこいるんですか⁉」
「なんの話してたん？」
女の質問には答えず大倉は笑顔で詰め寄る。
アホか…
大倉と顔を紅くしとる女を見てため息を吐いた。
「えっと…
雑用スタッフらしいんですけど…」
女からその言葉が出た瞬間、心臓が大きく跳ねた。
…可能性は、ゼロやない。
ゼロや、ないんや。
フライングでもなんでもええ。
はよ、
はよ、
ヤスと大倉を置いてその場から立ち去る。
はよ、会わせてくれ。
あいつに、
生駒に。
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芹生(プロフ) - ゆきねぇーさん、いつもコメントありがとうございます。予定していたよりも長くなってしまい、今作で完結は厳しくなってしまいました。すみません。続編もお付き合いいただけるようでしたら、是非ともよろしくお願い致します。 (2018年3月23日 12時) (
レス) id: a784c79873 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきねぇー(プロフ) - ジャニーさんの冷たさが、ちょっとツボにはまる。小説だから、感情しだいでは、やさしさにも感じるし。意味を分かるのにおもしろくて。また、楽しみにしています・ (2018年3月22日 0時) (レス) id: 782068d67c (このIDを非表示/違反報告)
芹生(プロフ) - ゆきねぇーさん、いつもコメントありがとうございます。更新が止まってしまい、ご迷惑をお掛け致しました。冷たくされる時はとことん冷たく、その反対に想いが通じ合えば、優しく甘くあたたかく、ヒロインを大切にしたいです。 (2018年3月15日 14時) (レス) id: a784c79873 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきねぇー(プロフ) - ついにきましたねー。みんな、あったかたいです。 (2018年3月14日 20時) (レス) id: 782068d67c (このIDを非表示/違反報告)
芹生(プロフ) - ゆきねぇーさん、返信が遅くなってすみません。このドキドキが自分も大好きです！ (2018年3月3日 13時) (レス) id: a784c79873 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芹生 | 作成日時：2018年1月8日 10時
