報告 黄 ページ34
オーラスの今日、いつもとは違う会場を包むこの特有の緊張感とワクワク感が、
俺は好きや。
ー報告ー
開演一時間前、村上くんは突然メンバーを集めた。
「ちょぉ聞いてくれるか？」
…なんやろ。
人払いさせた一室にメンバーが揃った。
「単刀直入に言う。
…生駒がおった。」
橙緑「はぁ‼⁇」
青「どこに‼?」
大きく心臓がはねた。
紫「ここのスタッフとして働いとる。」
赤「なん、やねん…」
紫「初日に気付いて声も掛けた。
そんで、
緑「ちょ、ちょっと待って!?
は？何？
なんですぐ報告してくれへんかったん⁉」
掴みかかりそうな大倉をマルが抑える。
紫「…迷ってたんや。」
話の意図が読めへん。
生駒がそこにおって、
何を迷う必要があるん？
「村上くん、
…ちゃんと説明してや。」
紫「…そう、やな。
ちゃんと話しとこ思て、
集めたんやから。」
村上くんは大きく深呼吸した。
紫「今、あいつには記憶がない。
一年前、大怪我して倒れてとこを助けられたらしい。
俺とヨコでその人にも会うてきた。」
赤「は？
ヨコも知っとったん？
なんで何も言わへんねん‼」
紫「すばる、ええから聞いてくれ。
なんの記憶もないあいつの面倒を見てくれてた。
…ええ人そうや。
今の生駒は、何も覚えてへんねん。
自分のことも、
俺らのことも。」
橙「で、なんでここに働いとんの？」
黒「現場スタッフのおっちゃんの行きつけの飲み屋が、たまたま生駒が厄介になっとるとこで、スタッフの人出が足りない話したら、その店主があいつを寄越したんやて。」
紫「偶然が重なったとしか思えへんな。
やけど、
あいつが生駒やって気付いとるんは俺らだけやと思うねん。
おそらく他のスタッフも、
あの様子やとマネージャーも、
気付いておらん。
しかも、や、
オーラスの今日が終わったら、
この会場の現場スタッフは解散する。
この言葉の意味わかるか？」
青「…今日が終わったら、会える可能性は低くなる。」
紫「そういうことや。
俺は、
何も覚えてへんのなら、
わざわざあいつにとって厳しい世界になるかもしれへんこっちに、
引っ張る必要ないと思うてんねん。」
なんで、
なんで村上くんそんなこと言うん？
手が届きそうで、
届かへん。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 269人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「関ジャニ∞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
芹生(プロフ) - ゆきねぇーさん、いつもコメントありがとうございます。予定していたよりも長くなってしまい、今作で完結は厳しくなってしまいました。すみません。続編もお付き合いいただけるようでしたら、是非ともよろしくお願い致します。 (2018年3月23日 12時) (
レス) id: a784c79873 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきねぇー(プロフ) - ジャニーさんの冷たさが、ちょっとツボにはまる。小説だから、感情しだいでは、やさしさにも感じるし。意味を分かるのにおもしろくて。また、楽しみにしています・ (2018年3月22日 0時) (レス) id: 782068d67c (このIDを非表示/違反報告)
芹生(プロフ) - ゆきねぇーさん、いつもコメントありがとうございます。更新が止まってしまい、ご迷惑をお掛け致しました。冷たくされる時はとことん冷たく、その反対に想いが通じ合えば、優しく甘くあたたかく、ヒロインを大切にしたいです。 (2018年3月15日 14時) (レス) id: a784c79873 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきねぇー(プロフ) - ついにきましたねー。みんな、あったかたいです。 (2018年3月14日 20時) (レス) id: 782068d67c (このIDを非表示/違反報告)
芹生(プロフ) - ゆきねぇーさん、返信が遅くなってすみません。このドキドキが自分も大好きです！ (2018年3月3日 13時) (レス) id: a784c79873 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：芹生 | 作成日時：2018年1月8日 10時
