誰かの幸せ ページ36
中へ入った瞬間、昨夜同様また強く抱きしめられた。
されるがままの僕。
手元のお金、特に小銭を落とさないように神経を使った。
「願い、叶ったな。」
僕の頭の上でポツリとそう聞こえた。
そう、だった。
僕、横山さんに手紙書いたんだっけ。
内容はよく覚えてないけれど、彼女への想いを綴った気がする。
「おかげさまで叶いました。」
腕の中で横山さんを見つめ、そう答えた。
「お前の想い、伝わりそうか?」
「ははっ、それ、意地悪で言ってるんですか?」
苦笑した僕に横山さんは眉をひそめた。
「………Aから聞いたんか?」
「聞かなくてもわかりますよ。
彼女はもう、
彼と想い合ってる。」
昨夜の居酒屋で確信した。
あぁ、彼女と付き合ってるのは彼なんだなって。
2人を見ればわかる。
2人の雰囲気でわかる。
「…つらく、ないんか?」
つらい、のだろうか。
わからない。
彼女に会えただけで、こんなにも僕は満たされている。
「彼女が幸せなら、それで。」
そう答えた気待ちに嘘はない。
「…俺は、
お前が好きや。」
横山さんが抱きしめていた力を抜き、僕の目を見てそう言った。
「ははっ、知ってます。」
「本気や。」
「…ありがとうございます。」
「俺がお前のこと幸せにしたる。」
「僕はもう十分幸せですよ。」
横山さんの気持ちは知ってる、つもりだ。
「それやったら‼
…そうなんやったら、
俺のことも、
…幸せにしてくれよ。
お前がいなくなって、
どんだけ、
どんだけ俺が‼」
包み隠さずぶつけられる横山さんの想い。
頰に添えられた横山さんの右手。
寄せられる顔。
どうしたら良いかわからず目を閉じた。
彼女以外に、僕が誰かを幸せにすることなんて出来るのだろうか。
唇に柔らかい感触。
相変わらず両手はお金を握りしめていた。
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光婪(プロフ) - 芹生さん» 私も作品作ってますが文を考えるのは大変ですしごちゃごちゃにならないようにするのも大変です!焦らず素敵な作品作って欲しいと思ってます。作者様が迷惑だなんて思う必要はありませんよ!スランプ等は付き物です!お互い頑張りましょう^^* (2017年9月3日 20時) (レス) id: 9e395ba8f7 (このIDを非表示/違反報告)
芹生(プロフ) - 光婪さん、コメントありがとうございます。更新が遅く、御迷惑をおかけして申し訳ございません。そして応援頂きまして、本当にありがとうございます。これからもお付き合い頂ければ幸いです。 (2017年9月3日 19時) (レス) id: a784c79873 (このIDを非表示/違反報告)
光婪(プロフ) - はじめまして!1から読ませていただいてます!これからの展開にワクワクしながらたまに読み返したりしてます!がんばってください! (2017年9月3日 13時) (レス) id: 9e395ba8f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:芹生 | 作成日時:2017年8月7日 20時