最愛の人 ページ31
彼女が招き入れてくれた部屋で、僕は彼女とひしっと抱き合った。
立ったまま隙間無くぴったりとくっついて、
あぁ、やはり僕たちは二人で一つなんだって思った。
しばらくそのままでいた後、
彼女は僕がいなくなってから半年経ったことを教えてくれた。
「みんなに会う？」
彼女が言うみんなとは、
彼らのこと、だよね？
正直、どちらでも良かった。
僕の望みが全て叶っている現状に十分満足していたし、
残された期限いっぱいこのまま彼女のそばにいられればそれで良かった。
それに、
彼らがこんな現実離れした現状を信じるとは思えない。
何より、
「僕」を、
認識してくれるかがわからなかったから。
返事をしない僕に、
彼女は困ったように笑ってスマホを取り出した。
「今日、私以外みんな仕事なんだ。
夕方、どこかで会えないか連絡してみるね。」
彼女の細い指が画面を操作している。
半年前まで僕の指だったそれ。
自身の手を目の前まで持ってきてみると、彼女のそれより、やはり少し男性的な節くれた指だった。
僕は彼女ではない。
改めてそう思った。
夕方までの時間、
ソファーに座る彼女の隣に腰を掛けて、彼女の肩に頭をのせ寄りかかった。
幸せだ。
とっても。
ただ一つ、残念なことがあるとするならば、
彼女には想い人がいて、
その相手と結ばれているってことがわかってしまったこと。
彼女から発されるオーラや、
部屋の空気、
実際に目に入る男物の生活用品。
少し胸がチクリとするけど、
彼女が幸せならそれでいいって、
なぜかこんなに、すっと納得出来てしまうんだ。
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光婪(プロフ) - 芹生さん» 私も作品作ってますが文を考えるのは大変ですしごちゃごちゃにならないようにするのも大変です！焦らず素敵な作品作って欲しいと思ってます。作者様が迷惑だなんて思う必要はありませんよ！スランプ等は付き物です！お互い頑張りましょう^^* (2017年9月3日 20時) (
レス) id: 9e395ba8f7 (このIDを非表示/違反報告)
芹生(プロフ) - 光婪さん、コメントありがとうございます。更新が遅く、御迷惑をおかけして申し訳ございません。そして応援頂きまして、本当にありがとうございます。これからもお付き合い頂ければ幸いです。 (2017年9月3日 19時) (レス) id: a784c79873 (このIDを非表示/違反報告)
光婪(プロフ) - はじめまして！1から読ませていただいてます！これからの展開にワクワクしながらたまに読み返したりしてます！がんばってください！ (2017年9月3日 13時) (レス) id: 9e395ba8f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芹生 | 作成日時：2017年8月7日 20時
