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「僕の元で働かないかい？」
思いもよらない言葉だった。
「小さい頃から合宿所の手伝いをしてきただろう？
施設のこともよく理解しているしすぐに慣れると思う。
それにキミが望めば、あそこにいる子たちと一緒に歌やダンスのレッスンをしたっていい。
当時から手伝いの合間にJr.達と踊っていたキミには素質が
「ジャニーさん！」
私は彼の話しの途中を語気を強めて割って入った。
けれどお構いなしにジャニーさんは続けた。
「A。
…キミはきっと今回のことを悔やみ自分を責め続けるだろう。
責め続けまた、心身共に衰弱させ倒れる、
…それを繰り返す。」
……図星だった。
このまま一人で生活していけば、
間違いなくそうなるだろう。
だって、事実そうなのだ。
あの時こうしていれば両親はー
なんて、何度も何度も考えて、
いくら泣いたって何も変わりはしないのに。
ー私のせいで、
ー私のせいで、
ー私の
「少しずつでも、
残されたキミは一歩を、
踏み出していかなければならない。
その足がかりになれればと、
僕は思っているんだ。」
ジャニーさんは穏やかな瞳で私を見つめそう言った。
ー私は、
この先きっといつまでも、
自分を責め生き続けるだろう。
そんな私の背中を、
ジャニーさんは支え押してくれるのだ。
一歩を、
踏み出す。
「……ジャニーさん。
…不束者ですが、
よろしくお願いします。」
「ふふっ…お嫁さんにもらうみたいだ。」
ジャニーさんは穏やかな瞳をして、
少し笑ってそう言った。
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作者名：芹生 | 作成日時：2017年3月12日 19時
