My important place (ページ12)

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赤side

「俺が言うのもなんやけど、
えらいちっこいヤツやったなぁ…」

レッスンが終わって、いつものメンバーが残る部屋の中で、俺はボソッと口に出した。

あいつが俺たちのそばを離れた後、
3人で顔は見合わせてんけど、別に誰も何も言わへんかったし、そのまま部屋入って練習に参加した。

仕事の無かったマルと大倉はすでに始めとった。

「ん？誰？誰の話？」

マルが食いついてこっちに来た。

「え～っと…なんやっけ…、

あ～っ、

あかん、…忘れた。」

「はぁ？なんですの、それ～」

思い出せずイライラした俺に、マルは気が抜けたような声を出した。

「田山やろ。田山A。」

息を吐き出しながらさも当たり前かのように言ったヒナ。

「それや！」

(さすがヒナや。)

「俺らより歳が上か下かもわからへん。

ほんまようわからんヤツやったわ。」

ヒナの言葉にヨコも頷いていた。

「へぇー」

さして興味が無さそうな大倉に比べ、マルは興味ありげに聞いてきた。

「えーと、それはどちらの人の話？」

「最近ここで仕事始めたヤツ。」

「なんの？」

「掃除婦。」

「んふふっ。なんやのそれ。」

マルとの掛け合いを他のメンバーは黙って聞いていた。